「ノブナガさんもバイトしてるんですか?」
聖とカナコのやり取りを聞いていた陽がノブナガに聞いた。
「バイト?
もやし、オレをバカにしているのか?」
「え?いや、そういうわけでは…」
「オレは…
IT企業で働いている!!
しかも正社員だぞ!!
さらにそこそこのポジションについている。
だから部下もおる!!
つまり、年収はうつけ者のお前の倍以上はあるだろうな。
カーッカッカッカッカッ!!」
「お兄ちゃん…
今、バイトをバカにしたでしょ?」
「ノブナガさんが社員?
とても社会に適合出来るとは思えないのですが…
本当に正社員なんですか?
いつものギャグですよね?」
「くっ!もやし!!
お前、オレ様のことをなんだと思っているんだ!!」
「キャハハハハー」
カナコが嬉しそうに笑った。陽はさらに言った。
「だって…それだけ収入があるのになんで貧乏なんですか?」
「び、貧乏だとっ!!
も、もやしっ!!
お、お前、重ね重ね無礼ではないかっ!!?」
「キャハハハハ〜〜
ヨウくん、いいぞ〜〜
もっといけ〜〜〜〜!!」
「あ、す、すみません。
悪気はなかったんですが…」
するとノブナガは歯切れの悪い様子で言った。
「バンドをやるにはな…色々金がかかるんだ」
トン!
「お待たせー
中華が3つ大盛り1つらよ〜
お兄さん、ギョウダは食わへんの?
たくさん食べてお腹おっきくしちゃーよ」
そこへ女性がやってきて和歌山ラーメンののったお盆をテーブルに置いた。
「待ってましたー
うわぁ〜〜、美味しそ〜〜」
聖が嬉しそうに言った。