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【新古事記192】大盛り

「どうど〜


入って入って〜〜


ささ、ここに座ってね〜〜


チドゥ子〜〜、お客さんやよ〜〜」


4人は店内に歩を進めテーブル席に座った。そして、店内を見回した。


「くっ!!


やはり罠か…」


ノブナガが悔しそうに言った。お昼時だというのに他に客の姿が見えなかった。


「やはり出よう!!


いくらなんでもこの時間帯に客がいないなんてありえんだろ?


空城の計じゃあるまいしっ!!」


女性が水を運んできて言った。


「ちょっと待ってら


ウチら、昨日和歌山から来たんよ。


で、仕込みとか間に合わなくてついさっきお店をあけたところなんよ。


大丈夫、安心しちゃあ。


でったいに美味しいから」


「ぐぬぅ〜〜」


ノブナガが声を押し殺すように唸った。


カナコが言った。


「お兄ちゃん、いいじゃない。


お客さんがいない理由もわかったし。


みんな、和歌山ラーメンでいいの?」


「うん!」

「はい」


聖の後を追うように陽も返事をした。


「オレは…


オレは…


大盛りだっ!!」


「ちょっとお兄ちゃん…


味を疑ってるくせに大盛り注文するってどんな神経なのよっ!!」


「お姉さん、オレは忘れていないぞ!!


さっきサービスしてくれるって言いましたよね?


大盛り無料にしてくれますよね?」


カナコが頭を抱えた。


「は、は、


恥ずかしいっ!!」


女性が笑って言った。


「お兄さん!!


もちろんええよ〜〜


大盛り、サービスしちゃる


中華3つと大盛り1つやな」


ノブナガはテーブルを叩いた。


「よし!やったぞ!!


大盛り、ゲットだぜ!!


カーッカッカッカッカッ!!」


「ほんっと恥ずかしい…」


カナコが恥ずかしそうに言うと聖が笑って言った。


「ノブナガさん!


やりましたねっ!!」


それを聞いたノブナガは満足そうにニヤリと笑った。


「イエース!!」

「イエース!!」


パチンッ!!


2人はハイタッチを交わした。