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【新古事記177】ノブナガの春の陣

「はぁ…


そんなこと、天地がひっくり返ってもないわ…」


カナコが頭を抑えながら言った。


すると巫女さんが笑いながら言った。


「ノブナガさん…


私、ノブナガさんのような男性、好きですよ」


「ですよね…お姉さん…


…って!!?


え"〜〜っ!!」


カナコがおかしな声で叫んだ。ノブナガは目を瞑り、腕を組んだ。


「フッフッフ


聞いたか?カナコ!!


教養のあるレディにはオレ様の魅力がちゃんとわかるのだよ!!


それに…


オレとお姉さん、やたらとフィーリング合ってたしな!!

 

運命の出会いってヤツだな!!


カーッカッカッカッカッ!!」


巫女さんが続けた。


「ノブナガさんは一見ふざけて見えますが、ご自身の使命を持って毎日命がけで生きています。


誤解を招くかも知れませんが…


命を捨てる覚悟も出来ている。まさにサムライのような方です。


そんな素敵な男性に惹かれない女性がいるでしょうか?」


聖がつぶやいた。


「ま、まさかの急展開!!?


ど、どうなっちゃうのかしら?」


ポンッ


ノブナガは聖に近づき、聖の両肩に手を置いた。


「聖ちゃん…聞いた通りだ。


本来ならば聖ちゃんを正妻、お姉さんを側室にすべきなのだが…


今は倫理上、それが許されない窮屈な世の中…


一夫一妻制など考えた奴は、相当モテなかったんだろうな…」


「お前のことじゃ!!」


カナコが即座に突っ込みを入れた。ノブナガは続けた。


「こうなった以上、オレは聖ちゃんから身を引こう。


もやし、お前では役不足だが致し方ない。


聖ちゃんのことを頼んだぞ!!


聖ちゃんを正妻にして、お前が中つ国の王になるのだ!!


このかわいいやつめっ!!」