古事記スクール

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小説・新古事記

【新古事記201】二人の関係

「うち、和歌山で司会のお仕事してんよ しばらく東京におるねんけど、次の選挙までには戻らなあかん。 ウグイス嬢、やらなあかんの」 「えーーー!!」 「司会のお仕事してるのにラーメン屋の立て直しに来てるんですか?」 「意味不明だわ…」 「真子さん… と…

【新古事記200】ライブ配信

「あ、みんな手がとまっとるよ〜 冷めないうちに食べちゃあよー」 陽と聖、カナコはラーメンを食べ始めた。 「おいしー」 「本当に美味しいね」 「うんうん、うまいうまい」 真子さんは満足そうに微笑んだ。 「どれ、ではもう一ついただくとするか」 ノブナ…

【新古事記199】ヤタガラス

「野木君、たしかに昔は手のつけられないワルやったけどな〜 ドクにも入ってたしなぁ」 「どく?」 「ドク知らんの? 暴走ドクって、今の若い子はしらへんのかな?」 陽が言った。 「ああ、暴走族のことですか。 よくは知らないですけど、マンガなんかで見た…

【新古事記198】オーナーの話

「誰がマッコウクジラやねーーーん キャハハハハハハハ〜〜」 女性は元気よく笑った。 カナコが聞いた。 「真子さん、昨日、和歌山から来たって言ってましたよね? 極空ラーメンの社員さんなんですか?」 (いきなり下の名前で呼んでるよ…) 陽は少し礼儀知…

【新古事記197】召ませノブナガ

「う ま い ぞーーーっ!!」 ノブナガは叫んだ。 ガツガツ ズルズル モグモグ グビッグビッ ズビーズバー ゴクッゴクッ!! プッハー!! 「ふー、うまかった〜〜」 「ノブナガさん、はやっ!!」 「お姉さん、おかわり!! サービスでね」 「ストーーップ…

【新古事記196】和歌山ラーメマニュアル

ノブナガは手を伸ばすとテーブルの上に置かれたカゴの中から卵を掴み取った。 手のひらには5つの卵が握られていた。 「お姉さん… これもサービスしてくれますよね?」 「ちょ!お兄ちゃん!! 何言ってんのよ!! しかも5つも!!」 女性は笑って言った。 「…

【新古事記195】秘伝のスープ?

「うわー!!おいしそー!! これが岡山ラーメンかー!!」 聖が手を組んで嬉しそうに言った。 「岡山じゃなくて、和歌山よ、ひーちゃん…」 カナコが少し悔しそうに言った。 ノブナガはどんぶりに鼻を近づけ匂いを嗅いでいた。 「クンクン… うーむ、香りは悪…

【新古事記194】ノブナガの謎

「ノブナガさんもバイトしてるんですか?」 聖とカナコのやり取りを聞いていた陽がノブナガに聞いた。 「バイト? もやし、オレをバカにしているのか?」 「え?いや、そういうわけでは…」 「オレは… IT企業で働いている!! しかも正社員だぞ!! さらにそ…

【新古事記193】カナコの夢

「あーーー!! あれ!!」 聖が店内のテレビを指差した。 「どしたん?ひーちゃん?」 カナコはそう言ってテレビを見た。テレビにはプロレスの覆面を被った2人組が映し出されていた。過去にブレイクしたお笑い芸人のVTRだった。 「ああ、お笑いの… 名前な…

【新古事記192】大盛り

「どうど〜 入って入って〜〜 ささ、ここに座ってね〜〜 チドゥ子〜〜、お客さんやよ〜〜」 4人は店内に歩を進めテーブル席に座った。そして、店内を見回した。 「くっ!! やはり罠か…」 ノブナガが悔しそうに言った。お昼時だというのに他に客の姿が見えな…

【新古事記191】女性店員現る

「あう〜〜 まぁみんながそういうなら諦めようかな…」 ノブナガと陽の言葉を聞いて聖は寂しそうに言った。 「よし、オレ様は腹が減っておる! すぐに次の店に連れて行ってやろう。 下僕ども、オレ様について来い!!」 その時だった。 ガラッ!! 極空ラーメ…

【新古事記190】極空ラーメン

「本当にここにするのか… オレ様は気がすすまないのだが…」 4人は「極空(ごくう)ラーメン」の前にいた。 陽はそっと店を覗いた。お昼時なのに店内はガラガラだった。 「たしかに…お客さんぜんぜんいませんね」 「だろう? 昔はオレ様も良く食べに来ていた…

【新古事記189】メガネカクカク

「ねー、ひーちゃん、これ見てこれ!! かわいくない?」 「おー、いいねー ショッキングピンクがかなぶんに似合いそ〜〜」 「でしょ、でしょ!!」 4人は住宅街を抜け、商店街に辿り着いていた。聖とカナコは面白そうな店を見つけるたびに立ち寄り、2人で盛…

【新古事記188】愛郷心

カナコが一小節を歌い終わったところで聖が言った。 「かなぶん、やっぱり歌が上手ねー で、その歌はなに?」 「え!ジュリーよ? ひーちゃん、知らないの?」 「うん、知らない」 カナコが天を仰いで言った。 「まったく、最近の若いもんは…」 「カナコ、よ…

【新古事記187】M・O・G

「わぁ〜〜、いい歌ぁ〜〜」 カナコがパチパチと手を叩いた。 「でしょ〜〜」 「うんうん!! ちょっと音程ずズレてるところもかわいかったよ、ひーちゃん!!」 「えっ?音程ズレてた? は、はずかしー!!」 聖は両手で顔を覆った。 「うううっ… うう… な…

【新古事記186】聖の横浜

「横浜の魅力か〜〜 いろいろあるんですけど… やっぱりみなとみらいかなぁ。 あの辺りは歩いてるだけで気持ち良いですよー。わたし、汽車道も好きだしー。 夜になると夜景とかめっちゃ綺麗だし、ランドマークの展望台も何気にオススメなんですよ。 横浜の夜…

【新古事記185】陽と横浜

「もやし、横浜のどんなところが好きだ?」 ノブナガは陽に質問した。 「横浜の好きなところ? う〜〜ん… 正直、考えたことないし、あまり好きじゃないですね。 物価も高いし、税金も高い。 僕、実家が横浜なので。 だからそのまま離れず住んでいるだけで… …

【新古事記184】アイデンティティ

陽はそう答えながら、ノブナガがまた大声を出すだろうと思った。 (「日本人なのにそんなことも答えられんとは!!」って言われるんだろうなぁ…) しかし、陽の予想とは裏腹にノブナガは穏やかに話し続けた。 「ふむ。 おそらく…多くの日本人がもやしと同じ…

【新古事記183】What is Japan like?

4人は鳥居をくぐると社殿の方に向き直り、深々と頭を下げた。 「んじゃ、お昼を食べに行きますかー」 かなぶんがそう言うと、4人は商店街に向けて歩き出した。 「ノブナガさん、さっきの続きですけど… なんで古事記が広がると日本が良くなるんですか?」 陽…

【新古事記182】ノブナガの使命

「むっ… な、なんだもやし?」 ノブナガが少したじろいだ様子を見せた。 「そうよ、ヨウくん!! 言ってやるんじゃあ!! オレの女にちょっかい出すなーって!! シュッシュッ!! ワンツー!ワンツー!!」 カナコはそう言うとパンチの素振りをした。 「ノ…

【新古事記181】帰りの参道にて

ザッザッザッ 4人は凛子に別れを告げ、玉砂利を踏みながら参道を静かに歩いていた。 しばらくすると聖が小さな声を出した。 「ううう…」 「どーしたの?ひーちゃん?」 聖は涙目になっていた。 「あたし… 凛子さんと別れるのが寂しいの」 カナコは聖の肩に手…

【新古事記180】来世の約束

「凛子さんっ!! また会いましょうね!!」 カナコはそういうと凛子に抱きついた。 「あ、かなぶん、ずる〜〜い!! わたしもっ!!」 聖とも凛子に抱きついた。3人がハグしている姿を見て、ノブナガが近づいていった。 「あ、聖ちゅわん、ずる〜〜い!! …

【新古事記179】高広凛子

「なんだかすみません…」 巫女さんが呟くとカナコが言った。 「お姉さんが謝ることありませんよー。 だいたい会ったその日に結婚までイメージ膨らませちゃうなんて… どこかのディズニー映画じゃないんですから〜〜。 ほら、出会ったその日に結婚を決めちゃう…

【新古事記178】ノブナガ冬の陣

「お兄ちゃん… スサノオがオオナムヂにはなむけの言葉を贈ったのを真似してるんでしょうけど… そんなの誰もわかんないからねっ!!」 「本当によろしいのですか? 聖さんをあきらめるのですか?」 巫女さんが言った。 「もちろんですとも!! オレはお姉さん…

【新古事記177】ノブナガの春の陣

「はぁ… そんなこと、天地がひっくり返ってもないわ…」 カナコが頭を抑えながら言った。 すると巫女さんが笑いながら言った。 「ノブナガさん… 私、ノブナガさんのような男性、好きですよ」 「ですよね…お姉さん… …って!!? え"〜〜っ!!」 カナコがおか…

【新古事記176】ンバッハブビーンの霊

お参りを終えた陽と聖にカナコが声をかけてきた。 「ヨウくん、大丈夫?」 「むっ!もやし!!? これは大変だっ!! お前にはンバッハブビーンの霊が取り憑いておる!! 早く聖ちゃんから手を引け!! それしかお前の助かる道はないぞ!!」 カナコがノブナ…

【新古事記175】トランス

「誰が下僕よ!?」 カナコが言うとノブナガが答えた。 「決まっておろうが! お前ともやしだ。 さあオレ様について来い!! カーッカッカッカッカカッ!!」 カナコは不満そうな顔をしつつ、ノブナガの後を追った。陽と聖はさらにその後を追った。 ノブナガ…

【新古事記174】世界を司る者

巫女さんは陽の目を見ながら言った。 「すごく簡単に説明すると… この世の全てを司っているのが龍神様なのです」 「龍神がこの世の全てを司る?」 聖が言った。 「はい。龍神祝詞は比較的新しい祝詞ではありますが、私はイザナギとイザナミがグルグルとかき…

【新古事記173】巫女さん、祝詞奏上

「ふふふ。 ちょっと奏上してみましょうか」 巫女さんはそういうと、目を閉じて背筋を伸ばした。そして、フーと息を吐くと胸の前で二度柏手を打った。 パンッ! パンッ!! 柏手はきれいに境内に響いた。そして巫女さんは声を発した。 「高天原に坐し坐しま…

【新古事記172】龍神祝詞

「そういえばお姉さんはこの神社が好きでわざわざ大阪から来ていると言っていましたが… それはクラオカミが好きということですか?」 カナコが聞くと巫女さんは言った。 「はい。 厳密に言うと…私はクラオカミよりタカオカミの方が波長が合いますけどね」 不…