「私、アルバイトというか…この神社が好きで時々お手伝いさせていただいているんですよ。
時々と言っても月に1回とか2回とか…そのくらいですけど」
巫女さんがそういうと、カナコは納得した様子で言った。
「どうりで会ったことがないはずだ。
でも、ヨウくんとひーちゃんはそんなレアな日にお参りしているわけね???
不思議なものねー」
「あら、そんな風に言っていただけると光栄ですわ
ところでそちらの方…」
巫女さんはそういうと、ノブナガに声をかけた。ノブナガは手で髪型を整えると得意の流し目を使い言った。
「なんでしょうか?」
「そのお召し物…とてもよくお似合いですね」
「え〝っ??
これがですか?」
カナコは驚いて変な声を出した。
「フッフッフ
聞いたかカナコ!!分かる人にはわかるのだ!!オレのセンスの良さがなあ!!
さすが大都会東京の大人女子はちんちくりんとはレベルが違うぜっ!!
カーッカッカッカッカッ!!」
巫女さんは言った。
「いえ、私は大阪に住んでいます。
昨日からホテルで一泊して今夜の新幹線で帰りますよ」
「え?大阪から?
お仕事か何かですか?」
聖が聞いた。
「いえ、この神社でご奉仕するためにきたんですよ」
今度は陽が聞いた。
「そのためだけにわざわざ東京に?」
巫女さんはニコリと笑った。
「距離とか時間とか…そういうことはあまり関係ありません。
私は…この神社の神様に会いたいから足を運ぶのです」
陽にとって大阪に行くとなったら、それは結構な旅行だ。世の中にはこんなに簡単に大阪と東京を行き来する人もいるのだ。
カナコが言った。
「そんなに好きなら東京に引っ越しちゃえば良いのに?」
「私、大阪も好きですし、それに…お仕事もありますしね」
「お仕事?
大阪の神社でお巫女さんやってるんですか?」
「いえ、ふだんは看護師とチャネラーをやってます」
「看護師?
えっ、チャ、チャネラー???」