聖は広末さんに聞いた。
「どういうことですか?」
「ヒジリっていうのは、もともと「日を知る」ということらしいんだ。日って太陽のことね。
日を知り、祀りを司る存在。つまりヒミコのことだね」
陽は聞いた。
「ヒミコって邪馬台国の?」
「僕はヒミコって特定の一人のことではなかったと思っているんだ。沢山の村々…コミュニティごとに日を知ることのできる巫女がいたんじゃないかな。
古代において日を読むのはとても重要なことだっただろう。だから日を読む人をヒジリ…つまり聖者と呼んだわけだ」
聖は目をまん丸くした。
「へぇぇぇー
全然知りませんでした。
私、自分の名前…
大っ好きになりました!!
広末さん、ありがとうございます」
そこへオーナーがビールを持ってやってきた。
「はい、お待ちどう」
5人は改めて乾杯をした。
ジョッキに口をつけた聖は驚いた。
「なにこのビール!!ものすごく美味しい」
陽も続いた。
「本当に、めっちゃ美味しい!!」
大男が言った。
「当たり前だ!宇宙エネルギーが入っているからな!
ところでオーナー。カナコに高杉晋作の魂が宿っているなら、兄であるこのオレにもさぞかし高貴なお方の魂がくっついておられるだろうな…」
オーナーは「ふん」と言い、ジーっと大男の背後を見ていた。そして言った。
「あなたには…明智光秀が憑いているね。
そうとう怒ってるみたいだから気をつけたほうがいい」
大男は椅子からずり落ちた。
「す、すごっ!!お姉さん…じゃなかったお兄さん、すごっ!!」
カナコは興奮して言った。
聖は聞いた。
「なにがすごいんです?」
「だって、お兄ちゃんの名前、『暢長』って言うんですよ」
「ええええー、ノブナガ〜???」
陽と聖は思わず大きな声を出した。
「ふふふ、愛国のロックンローラー須賀暢長とはオレのことよ!!エクストリーム!!」