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【新古事記057】カナコの恋

広末さんは続けた。


「そしてゴネてゴネてゴネて…ついに租借を諦めさせたんだ」


カナコが目をキラキラさせて言った。


「素敵っ!!」


古事記には「国生み神話」が描かれている」


「国生み神話???」


イザナギイザナミという夫婦神が島々を生むんだけど…簡単に言うと日本の島々って神様なんだよ」


「島々が神様?」


陽の頭はメダパニ状態だった。


「わかった。つまり、神である島々を…そのソシャク…でしたっけ?


神様をあなたたちに貸すわけにはいきませんよって」


聖は言った。


広末さんは静かに頷いた。


「僕もそう思う。


まぁ、この話の全てが史実かどうかはわからないけど…高杉晋作の弟分の伊藤博文が後日語ったと言われているんだよ」


陽は言った。


「もし、高杉晋作がいなかったら…」


ノブナガが言った。


「そうさ、彦島は日本じゃなかったかもしれない。


オレが高杉晋作をキング・オブ・ロックと慕う意味がわかっただろう?


国に守ってもらいながら国を批判している現代のニセモノロッカーとはわけが違うぜ!!


国に尽くしてこそだろ?それがジャパンロックだ!!」


広末さんが最後に付け加えた。


伊藤博文高杉晋作をこう評している。


『動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し。


それが我らが高杉さんだ』


この言葉に二人の関係性が見て取れないかな?」


カナコは泣いていた。


「カッコいい!!カッコ良すぎる!!


私、、、


高杉カナコになりたい!!」


ノブナガが言った。


高杉晋作は…


結核のため、若干27歳でこの世を去った」


「えー!!27歳!!」


陽、聖、そしてカナコは同時に驚きの声を出した。


「と、年下かー


うーん、私、年上の方がいいのよねー」


聖が言った。


「…カナコさん、高杉晋作さんはもういませんよ」


ノブナガは言った。


「おもしろき


こともなき世を


おもしろく。


オレは高杉晋作は…もっと高く評価されるべき漢だと思っている!!」