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【新古事記061】女子トーク

「ちょっと待った!!


婚約など、そんなことはオレが許さん!!


聖ちゃん、そんなモヤシのような男とは別れてオレと付き合わないか?」


ノブナガが帰ってきた。


「お兄ちゃん!!


せっかく良いとこなのに邪魔しないでよ!!


それに、なんでひーちゃんとお兄ちゃんが付き合うのよっ!!


ん?ところで随分と遅かったけど何かあったの?」


「い、いや、何もないぞ!!


ちょっと商店街の見回りをしてきたのだ!!新撰組のようになっ。


商店街の治安を護る現代の沖田総司、須賀暢長とはオレのことだっ!!


カーッカッカッカッ!!」


「まったくもう、暑苦しいっ!!


沖田総司はそんなに暑苦しくないわよっ」


「お前に言われたくないわっ!!


それに沖田総司の容姿は諸説がある。


ヒラメ顔だったとか…色々言われてるんだぞ」


「めんどくさっ!!」


兄妹のやり取りを見た聖はクスクス笑った。


「じゃ、話を進めましょ。


ヨウ君はひーちゃんと結婚したいんでしょ?」


「…そ、そりゃあまあ」


「じゃあ、ひーちゃんもいいでしょ?


お金なんか2人の力を合わせればなんとかなるのよ、それが結婚よ」


カナコはうっとりとしながら言った。


「カナコさん、そういうあなたは結婚してるんですか?」


陽は口を挟んだ。


「シャラーーーーップ。それはそれ、これはこれ」


聖が口を開いた。


「うん、わたし、普通でいいのよ」


聖が言うと、再びカナコが続けた。


「えらい!!ひーちゃん


じゃ、新婚旅行はどこにする?」


(本当に止まらないな)


陽は諦めて黙ってカナコの話を聞いていた。


「うーん…湯河原とか?」


カナコは目を輝かせた。


「熱海ですらなくて湯河原!!


ひーちゃん、しぶっ!!」


「わたし、別に海外旅行とかそんなに興味なくて。湯河原、近いし。


それに湯河原だって海外から見たら海外でしょ?あれ、変なこと言ってます?」


「ひーちゃん、あなた最高よ。


そうよね、フェラーリも軽自動車も見える景色は一緒よね。たぶん」


カナコと聖の女子トークは熱を帯びていった。