「はい、お姉さん。
ありがとうございます!!」
聖はすっきりとした顔で言った。
「ところでぇ〜〜」
「はい?」
「今更なんですけど、ここの神社にいる神様ってどんな神様なんですか?」
聖は巫女さんに聞いた。
「ズコー
ひーちゃん、ご祭神を知らずにお参りしてたの?」
カナコが昭和感満載でズッコケると、聖はペロっと舌を出した。巫女さんが優しくて言った。
「お参りしている神社にどんな神様がお祀りされているか…
そんなことも知らずにお参りしている人はたくさんいます。むしろ、そう言う人の方が多いかもしれませんね。
お神輿を担いでいる方に「どんな神様を担いでいらっしゃるんですか?」と聞いて答えられる人も少ないかもしれません。
それでも許される。それが日本の神様です」
「確かにー
あんな一生懸命担いでるのに誰を担いでるのか知らないなんて…
なんかウケますね〜〜」
カナコはケラケラと笑った。
「お姉さんは優しいですねぇ」
聖がそう言うと、巫女さんはさらに続けた。
「と言っても、やっぱりお祀りされている神様のことを知っていた方が神様も喜ぶでしょう。
聖さんが神様だったら、「聖さんに会いにきた」と言ってくれた方が嬉しいでしょう?」
「ですねっ!」
聖は頷いた。
「ここ龍橋神社のご祭神は、神社名の通り龍神様です」
巫女さんがそう言うと聖は言った。
「石の鳥居も龍さんですものねっ。
納得です」
巫女さんは頷いた。
「龍神さまのお名前は、タカオカミ、クラオカミと言います」