「私の能力は…そんなに特別なものではありません。
おそらく、古代では多くの人が私と同じように宇宙や…自然界の声を聞いていたはずです」
「うおおおお〜〜
燃え上がれ、オレの小宇宙(コスモ)!!」
ノブナガが雄叫びをあげるとカナコが言った。
「だからお兄ちゃん、作者を困らせないで!!
話が進まないじゃない!!」
巫女さんは続けた。
「神社のおみくじに和歌が書かれているでしょう?」
聖が言った。
「ああ、あの百人一首みたいな?」
「そうです。
古代では神託を巫女がインスパイアし、それを和歌にして詠っていたのです。
おみくじに書かれた和歌はその名残です」
カナコが感嘆の声をあげた。
「へええええーーー
…ってゆーか、古代の巫女さんってすごかとねー」
「おいカナコ、それは博多弁じゃろ?」
ノブナガが軽いツッコミを入れた。
「皆さんはイザナギとイザナミが泥海のようだった地上世界を天の沼矛(あめのぬぼこ)という矛で固めたお話はご存知ですか?」
聖の顔がパッと明るくなった。
「古事記ですよね!!
最近、読んだばかりです。
ヨウも読んでるもんね〜〜」
陽は言った。
「僕はまだ…本当に古事記の初心者ですけど…
泥海を矛でかき混ぜて、地球が誕生するって…
ちょっと理解出来ないんですよね〜〜」
巫女さんは言った。
「みなさん、銀河系の写真を見たことあるでしょう?」
カナコが答えた。
「あの、なんて言うか…
白い光の渦がグルグルってなってるやつですか?」
「はい、その通りです。
泥海をかき混ぜ、矛を抜くと先端から雫が滴り落ちて、おのころ島…つまり地球が誕生するわけですが…
これってまさに銀河に浮かぶ地球のことだと思いませんか?」
「おおおお、確かに!!」
「ドッギャャャーン!!」
「すごっ!!」
「・・・・・」
一同は驚きの声をあげた。
「もちろん古代の人が私たちのように銀河の写真を見ることなど出来なかったでしょう。
でも、ちゃんとわかっていたんですよ。
宇宙の声、自然界の声…それらを聞くことが出来たんです、私たちのご先祖様は」