ガツッ!!
「いってえええ!!」
カナコがノブナガの脛を蹴った。
「何するんだ!!カナコ!!」
「どさくさに紛れてお姉さんの手を握ってんじゃないわよっ!!
全く恥ずかしい!!」
ノブナガは脛をさすりながら言った。
「何するんじゃーーー!!
今日からお前はバカナコだっ!!
ん?
はは〜〜んカナコ、さてはお前…
嫉妬しているな。
無理もない…お前のような男日照りの…」
ガツッ!!
「おお〜〜〜う!!」
ノブナガは飛び上がった。
「アタシはモテますから!!
お兄ちゃんと一緒にしないで!!」
それを見た聖はケラケラ笑った。
「お姉さん、ひとつ聞いていいですか?」
「はい、もちろん」
「お姉さんはご先祖様を大切にとおっしゃいましたけど、ここは神社でしょう?
神社には神様がいて、ご先祖様がいるのはお墓ですよね?お墓ってお寺にあるじゃないですか?
えっと…
ご先祖様を大切にするなら神社でなくお寺ですよね?」
巫女さんは優しく頷いた。
「とても良いご質問だと思います。
私たちのご先祖様をずーっと遡っていくと…」
「いくと?」
「もれなく神様にたどり着きます。
日本の神さまって、私たちのご先祖様なんですよ」
「神様がご先祖様?」
「氏神様って本来は先祖様のことなんですよ。今では土地の神様というニュアンスが強くなっていますけれど。
例えば天皇家ならアマテラスにどりつきますし、藤原家ならアメノコヤネという神様にたどりつきます。祖神(おやがみ)って言うんですけどね」
「あーーー、
だから氏神様が大切なんですね。
なんとなく…
私、少しだけわかったような気がします。
お姉さん、ありがとうございます」