聖は続けた。
「私、前回お姉さんのお話を聞いて神棚にすごく興味を持つようになったんです。
バタバタしていてまだ準備出来ていなかったんですけど…」
「えええええーーーっっ!!」
カナコが素っ頓狂な声を上げた。
「ひーちゃん家、神棚ないの?」
「え?ないよ」
続いてノブナガが言った。
「仏壇は?
仏壇はあるよね?」
「え、仏壇?
ありませんけど…」
「ノォォォイサァァァ〜〜ン!!!!」
ノブナガは狂ったような雄叫びを上げ、陽の胸ぐらを掴んだ。
「おい!もやし!!
神棚も仏壇もないってどういうことだ?
お前はそれでも家長かっ!?」
カナコが冷静に言った。
「いや、まだ二人は結婚してないし、別にヨウくんは家長じゃないでしょ?」
「うむっ、それは吉報!!
こんなもやし野郎にオレの聖ちゃんをやるわけにはいかん!!」
「お兄ちゃん…
あまりしゃべると話が進まなくて作者が泣くわよ?」
「作者の都合などオレの知ったことかっ!!
オレがいうことは正しい
オレのなすことも正しい
オレが作者に背こうとも
作者がオレに背くことは許さん!!
カーッカッカッカッカッ!!」
陽は言った。
「神棚とか仏壇とか…
そんなに大切ですか?
うちの実家にはそんなものなかったし、僕の感覚ではないのが普通ですけど。
それに、今時、神棚や仏壇がある家の方か珍しいんじゃないですか?
聖が神棚を置きたいというのなら反対はしないけど…正直なところ仏壇には良いイメージがなくて」
「ぐぬぬ!!
このもやしっ…」
ノブナガは今にも陽に飛びかかりそうな顔をしていた。カナコはそれを制して言った。
「お兄ちゃん、どうどうどう。
ちょっと静かにしててね。私が聞くから。
ヨウくん、仏壇に良いイメージがないってどういうこと?」