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【新古事記134】僕たちの失敗

イザナギイザナミはこの世の成り立ちを支える宇宙の神々に相談した。


すると宇宙の神々は占いをおこなった。


陽は笑った。


「神様が占いに頼るって…いったいその占いに答えるのは誰なんだろ?


それにしても…


なんかこう…頼りない神様たちだよな。普通、神って絶対的な存在じゃないのかな?」


神々が占いをしたところ、不完全な子が生まれるのは「女性であるイザナミが先に声をかけた」からのが原因らしい。陽は思った。


(原因らしい…か。明確ではないわけだ。


それにしても、この記述…男尊女卑ってやつだよな?)


女性から声をかけてはいけない…今でこそ男女平等が世間では当たり前の風潮になったが、昔は…特に古事記が書かれたような古代には男女差別が顕著だったのだろう。


「あれ?そういえば…」


陽は呟いた。


「少名彦コーヒーで氷川さんが言ってたな。


確か「プロポーズは男から。それが自然の摂理」だって。

 

氷川さん、このことを言っていたのかなぁ…

 

つまり、この事象をオレは男尊女卑と捉えたけど、氷川さんはそうは捉えなかったわけだな、きっと。

「結局…


聖に言い出すタイミング逃しちゃったなぁ」


軽い自己嫌悪に浸ったのち、陽は古事記まんがを読み進めた。


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22時45分


「おはようございます」


航は出社した。フロントバックに入ると、すぐに五十嵐さんが近づいてきた。


「氷川さん、ヨネさんが体調を崩しちゃって。代わりに今日は私が勤務に入りますから」


「え?米澤さん、大丈夫なんですか?」


「大したことはないみたいなんですけど、大事をとって休んでもらいました」


「そうですか。五十嵐さんも大変ですね。無理しないでくださいね」


「ありがとうございます。私は大丈夫です」


その時フロントから掛川さんが顔を出した。


「氷川さん、今夜もよろしくお願いします。


引き継ぎやりましょうか?」


「はい、よろしくお願いします」

 

今日も長い夜が始まった。