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【新古事記147】火の玉兄妹の幻影

陽は生姜焼き定食を食べながら言った。


「で、聖?


明日はかなぶんに会いに行くんだよな?


場所は?」


「うん、私、前に見たラーメンをどうしても食べたくて」


「ああ、あの…


極道ラーメンだっけ?」


「ちがうよっ


ご・く・うラーメンっ!!


「極める空」と書いてごくう。


ちょっと遠いけど、いいかな?」


「もちろん、オレが反対するわけないだろ?」


「ありがとう、ヨウ。


でもね…」


「うん?」


「かなぶんが言うには、最近、味が落ちたらしいの。あ、これはノブナガさんが言ってるらしいんだけど」


「えー、そうなの???


ま、いいんじゃないの。そんなに期待しないでいけばさ。


っていうか、今日はラーメンじゃなく生姜焼きにしといて良かったよ。


で、待ち合わせは決めたの?」


「うん、待ち合わせは龍橋神社にしたの。


せっかくだからお参りしたくて。あのお姉さんにも会いたいしね。


あ、時間は10時よ」


「そっかー、わかった。


そしたら8時半前には出ないとな〜〜


あの…お兄さんも来るのかな。


オレ、ちょっと苦手なんだよなー」


「ノブナガさん?


来るんじゃない?たぶん。


あの人、きっといい人よ」


そういうと聖は楽しそうに笑った。


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「ふんふんふ〜〜🎶」


「お兄ちゃん、鼻歌歌って何やってんの?」


「見りゃわかるだろ?


アイロンがけをして精神を養っているのだ!


サムライたるもの常に修行だからなっ!!」


「修行?その割にはご機嫌じゃないの?


え?何この服?


もしかして明日着て行く気?


やめてよ、一緒に歩くわたしが恥ずかしいじゃない!!」


「恥ずかしい?


オレの勝負服だぞ!!


恥ずかしいことなどあるものか!!」


「勝負服?


なんの勝負よ?」


「…う、そ、それは〜〜」


「あーーー


お兄ちゃん、ひーちゃんが来るから気合い入れてるんでしょ?


キモっ!!


この40歳!!キモっ!!」


「カナコッ!!


実の兄に向かってなんだその口の利き方はっ!!!」


「わたし、もう寝るから。


おやすみっ」


「ええい!!なんたる妹だ!!

待ってろよ、聖ちゃん。オレがもやし男の魔の手から救ってあげるからね」