お店を出るとそれぞれが別れを告げた。
「ひーちゃん、連絡先交換しよ」
「うんうん」
聖とカナコはスマホを取り出し連絡先を交換した。そして、カナコは聖をハグした。
ノブナガもさりげなく聖とハグしようとしたが、カナコが鋭い眼光でそれを制した。
「広末さん、本当にありがとうございました」
一同は広末さんに頭を下げた。
「いいんだ、いいんだ、気にしないで。
楽しかったよ。また会おう。あ、これ渡しておくね」
広末さんは陽に名刺を渡した。
「それじゃ。またね!」
広末さんは一足先にその場を後をした。
その後、陽たちもその場を離れた。
「かなぶん、またね。ノブナガさんも!」
ノブナガは言った。
「おい、もやし!!聖ちゃんのこと大切にするんだぞ!!」
陽は苦笑いをした。
「じゃ、またね!!」
陽と聖は火の玉のような兄妹と別れた。
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陽と聖は商店街を抜け、駅に向かった。
「あ、ちょっと待って」
聖はそう言うと、駅前の小さな本屋の前で立ち止まった。
「あれ、面白そう」
聖はそう言うと一冊の雑誌を手に取った。表紙には「龍神特集」と書かれている。聖は雑誌の裏表紙を見て値段を確認した。
「うーん、買うか。
ヨウ、ちょっと待ってて」
聖は店内に入ると会計を済まし戻ってきた。戻ってきた聖に陽は聞いた。
「どうする?もう帰るか?」
「うん、帰って少しゆっくりしよう」
陽と聖は、改札口を通り駅のホームに上がった。