「あ、みんな手がとまっとるよ〜
冷めないうちに食べちゃあよー」
陽と聖、カナコはラーメンを食べ始めた。
「おいしー」
「本当に美味しいね」
「うんうん、うまいうまい」
真子さんは満足そうに微笑んだ。
「どれ、ではもう一ついただくとするか」
ノブナガは早寿司の包みを手に取った。
「お兄ちゃん…」
「カナコよ、人の好意はありがたく頂戴するのだ。
そして、その恩を…次世代に繋ぐのだ!!
わかったな?」
「…お兄ちゃんはお腹を満たしたいだけじゃろ?」
「ええよ、ええよ〜〜
お兄ちゃん、遠慮はいらんよ〜〜」
真子さんはそう言うと迷彩柄のエプロンのポケットからスマホを取り出し、4人に向けた。
「みなさ〜〜ん、こんにちは〜〜
今日は極空ラーメン東京店からライブ配信しておりまーす」
「え?」
「へ?」
「は?」
「うまい!うまい!!ガツガツ!!」
ノブナガを除く一同は真子さんの方を見て目が点になった。
「ささ、うちのこと気にせんといいから食べて食べて!!
ご覧ください、この食べっぷり!!
おいしそうでしょう???
極空ラーメン東京店、皆様のお越しをおまちしておりまーす」
そう言うと真子さんはスマホをしまった。
「真子さん、今のは?」
「宣伝や、宣伝!!
今はSNSの時代やろ?
みんなのお陰でいい画が撮れたよし
特にお兄ちゃん、最高!!
それ衣装よな?もしかして俳優さん?」
「え?宣伝?」
カナコが聞いた。
「忘れたん?
うち、お店の立て直しに来とるんやで」
ノブナガは上機嫌だった。
「いやあ、オレ様はバンドマンになるか俳優になるか悩みに悩んだ男なので…
何か力になれることがあれば言ってくださいよ!!
カーッカッカッカッカッ!!」
「真子さん、ナレーションお上手でしたね?
まるでプロみたい!!」
聖が聞いた。
「そらそらよ〜〜
プロやもん」