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【新古事記116】ガリレオ

古事記に出てくるオノコロジマのことですけど…」


航が続けると鳥海さんが聞いた。

 

イザナギイザナミ

生んだオノコロジマですか?」


「はい、そうです。

 

アレ、僕は『自ずから転がる』からオノコロジマって名付けたんだと思うんですね」


「自ずから転がる?」


「はい、つまり…


地球は自転してるってことです」


「ああ、確かに!」


鳥海さんは強く頷いた。


「え?地球が自転してるって当たり前じゃないですか?」


江本さんの言葉を聞き、鳥海さんが笑った。


「江本君、『地球は回ってる』って言ったの誰だっけ?」


「ん?ガリレオでしたっけ?

ああっ!

 

まさかガリレオより以前に日本人が地動説を???」


「そういうことになりますね。


鳥海さんの富士山のお話もですけど、僕たちのご先祖様は…説明がつきませんが、そういうことを知っていた…というか感じていたのかもしれませんね」


「すごいですね〜〜」


吉川さんが感心して言った。


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21時40分


「ん?あ、もうこんな時間!!


氷川さん、お時間大丈夫ですか?」


吉川さんの声に航も時計を見た。


「吉川さん、ありがとうございます。


みなさん、僕はそろそろ行かないといけません」


鳥海さんが笑った。


かぐや姫みたいですね」


江本さんが言った。


「うーん、残念。もっとお話したかったです」


航は申し訳なさそうに頭を下げた。


鳥海さんが少し心配そうに言った。


「お仕事、間に合いますか?」


「はい、大丈夫です。


新幹線に乗ってしまえば20分ですから。


みなさん、今日はありがとうございました。


本当に楽しかったです」


そして、航は一人一人と固い握手を交わした。


江本さんが言った。


「また、集まりましょうね!!」

 

航は頷くと一人、東京駅へ向かい駆け出した。