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【新古事記115】かぐや姫

時間が進み、4人はすっかり打ち解けていた。


鳥海さんが言った。


古事記で火の神様が母親のイザナミ焼き殺しちゃうでしょ?


あれ、怖いですよねー」


航が言った。


「ああ、ヒノカグツチですね」


江本さんが聞いた。


「ヒノカグツチ?火のカグってどういう意味です?」


「僕の勝手な解釈ですが…


カグというのはカゲのことだと思います」


「火のカゲ?」


「カゲというのはもともと輝くという意味だったと思うんです。


昭和の歌にあるでしょう?


星影のナントカや月影のナントカって。


あれは暗いカゲではありませんよね。


あ、江本さんは知らないかな?」


吉川さんが感心して言った。


「なるほどー。火が輝くなら納得いきます。


上杉景勝のカゲも輝くなのかもしれませんね」


「はい、絶景って言いますしね」


「一気にいい名前になりますね」


吉川さんが笑った。


鳥海さんが言った。


「ああ、それなら天の香具山もね、輝く山ですもんね。


かぐや姫なんかモロにそうですね。暗い姫でなく輝く姫だ」


江本さんが言った。


「ああ、それならよくわかります」


鳥海さんが続けた。


「僕、かぐや姫で日本人ってすごいなって思ったシーンがあるんです」


「どこです?」

「どこですか?」


吉川さんと航が同時に聞いた。


「帝が不老不死の薬を月に一番近い場所…つまり富士山で焼くように命じるでしょ?


富士山が日本一って平安初期の段階で知ってたってことでしょ?」


吉川さんが感心した。


「確かに…」


航がつぶやいた。


「不死の薬…だから富士山」


鳥海さんがニコリと笑って言った。


「そうですね」