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タケミナカタ物語⑤

 ~これまでのお話~

 

諏訪に移り住んだタケミナカタは、些細なことから妻・ヤサカトメノカミと大喧嘩をしてしまいました。タケミナカタは村人の話から、ヤサカトメノカミが湖を渡り家を出てしまったことを知りました。

 

kojikista88.hatenablog.com

 

ヤサカトメノカミが家を出たことを知ったタケミナカタは、すぐに後を追いかけようとしました。

 

すると、、、

 

「おお、こりゃ大漁だな!!」

 

「見ろ、この立派な魚を!!」

 

漁をしている村人の声が聞こえてきました。

 

(うっ、まずい。

 

 今、ヤサカトメノカミを追いかけたら・・・

 

 『妻の尻に敷かれている神』

 

 というレッテルを貼られてしまうかもしれん!!)

 

村人たちはタケミナカタの姿に気づきました。

 

「あれ?タケミナカタ様でねぇか??」

 

タケミナカタ様、そんなとこで何をやってるだ?」

 

タケミナカタは咄嗟に答えました。

 

「あ、ああ、ちょっと考え事をしていたのだ。

 

 それより大漁のようだのう。大したものだ!!

 

 そうだ、オレにも網を打たせて(投げさせて)もらえないか?」

 

(何かしていないと居ても立ってもいられない・・・)

 

村人は喜んで答えました。

 

「おおい!!

 

 タケミナカタ様が網を打つぞ」

 

人気者のタケミナカタが網を投げるということで、たくさんの村人が集まってきました。

 

タケミナカタは精神を集中していました。

 

(集中しろ!!大丈夫だ、今は網を投げることに集中するのだ

 

 妻のことは後で考えるのだ。大丈夫だ、大丈夫だ)

 

「いくぞ!!

 

 うぉぉぉぉぉ!!!」

 

ブ―――ン!!!

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タケミナカタの放った網はすごい勢いで飛んで行きました。

 

「タ、タケミナカタ様っ!!」

 

「これは大変なことだっ!!」

 

驚きの声を上げる村人たちを前に、タケミナカタは冷静に答えました。

 

「フフ、これくらい朝飯前ってもんだ」

 

村人は続け撒した。

 

タケミナカタ様!!手綱を放しちゃダメでねえか!!」

 

「網が湖に飛んで行ってしまっただ!!」

 

タケミナカタはハッとして言いました。

 

「しし、しまったー!!」

 

つづく

 

よう