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タケミナカタ物語⑦

諏訪に移り住んだタケミナカタは、些細なことから妻・ヤサカトメノカミと大喧嘩をしました。ヤサカトメノカミは家出をし湖を渡ってしまいました。タケミナカタは、村人が寝静まるのを待ち、舟を漕ぎ後を追いました。

 

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「よし!着いたぞ!!」

 

対岸に着いたタケミナカタは、休む暇もなくダッシュしてヤサカトメノカミの元へ向かいました。

 

ヤサカトメノカミの別居先に着いたタケミナカタは扉を開けようとしました。

 

ガチーン!!

 

扉は閉ざされていました。

 

「うん、まぁそうだような、夜だし・・・」

 

そこでタケミナカタは屋敷の中にいるヤサカトメノカミに小さな声で語り掛けました。

 

「ヤサカトメノカミよー、オレだ、タケミナカタだ。

 扉を開けてくれー」

 

シーン

 

返事がありません。

 

「ヤサカトメノカミよ~、ここを開けてくれ~」 

 

今度はもう少し大きな声で語り掛けました。

 

シーン

 

しかし、やっぱり返事はありません。

 

「もう寝てるのかなぁ…こんな時間だしな」

 

タケミナカタはもっと大きな声で語り掛けようと思いましたが、寝ているヤサカトメノカミを起こすのは気の毒に思い、それ以上の声を出すことはしませんでした。

 

「俺は待つぞ、いつまでも・・・」

 

しかし、待てど暮らせどヤサカトメノカミは出てきませんでした。

 

やがて東の空が白んできました。

 

「う、これはいかん!!

 夜が明けてしまう!!

 急いで帰らなければ!!村人達が起きてしまう!!」

 

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タケミナカタは舟を漕ぎ、急いで湖を渡り自分の屋敷へ帰ったのでした。

 

 

よう