タケミナカタ物語⑫
~これまでのお話~
タケミナカタは、些細なことから妻・ヤサカトメノカミと大喧嘩をし別居生活が続いていました。ある日、タケミナカタは凍った湖の上を走って渡りヤサカトメノカミの元に向かいました。翌朝、氷上に出来た亀裂を見つけた村人は、いったい何があったのか不思議に思っていました。
「みんな、何をしているんだ???」
そこに現れたのはタケミナカタでした。
「おお、タケミナカタ様!!」
村人はタケミナカタの周りに群がりました。
例え別居していようが、タケミナカタ人気に陰りは見えません。
「タケミナカタ様、いつもより顔色が良いべな~」
「んだ、んだ、オラ少し安心しただ」
その時です。
タケミナカタの後ろから人影がスッと現れました。
「おお!!」
「Oh!!!」
「ヤサカトメノカミ様っ!!」
人影の正体はヤサカトメノカミでした。
タケミナカタの熱意に心打たれ、ついにヤサカトメノカミは家出をやめたのです。
バンザーイ!!バンザーイ!!
タケミナカタは言いました。
「いったい何を喜んでいるのだ?」
鈍感なタケミナカタは、夜な夜なヤサカトメノカミの元を訪れていたことが、村人にバレていないと思っていました。
村人は言いました。
「タケミナカタ様。久しぶりに皆で宴会でも開きましょう!!」
「おお!いいぞ!!」
気まずくなった文春は、その場を忍び足で去ろうとしました。
「おい!!文春ッ!!」
ぎ、ぎくぅっ!!
「お前も宴会には参加しろよ!!」
「誰だって秘密の1つや2つくらい抱えて生きているもんじゃろ?」
「お前は根性が腐ってるから嫁も来ないんだ~」
「んだ、んだ、まったくばんこ情けねぇ男だべ」
「お前、なにちんぶりかえってるらぁ~」
その晩、盛大な宴会が開かれました。
タケミナカタと村人の絆は一層深まり、文春はこってりと絞られました。
その後、タケミナカタとヤサカトメノカミは仲睦まじく暮らしました。
が、たまに喧嘩をすると気の強いヤサカトメノカミは家出をしました。
諏訪湖の氷上に亀裂が出来ると、
「ああ、タケミナカタ様とヤサカトメノカミ様、また夫婦喧嘩だな」
「タケミナカタ様、またこっそりヤサカトメノカミ様の元を訪れたんだな~」
と村人は和やかに噂しました。
現代では諏訪湖の氷上に現れる亀裂のことを「御神渡り」と呼びます。
その名の通り、タケミナカタがヤサカトメノカミに会いに行くため湖を渡るのです。
今年は5年ぶりに御神渡りが見られたそうですね。タケミナカタはヤサカトメノカミに会えたのでしょうか?
ちゃんちゃん♪
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