~これまでのお話~
八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)に命を狙われたオオナムヂは、根の国へ身を隠しました。根の国でスサノオの度重なる試練を乗り越えたオオナムヂは、スサノオの娘・スセリビメを正妻に迎え、また根の国の宝を携え、中つ国へ帰ってきました。そして見事に兄達を倒し国造りをスタートしました。
そもそも兄弟喧嘩の原因は、ヤガミヒメという美人で評判の良い女神の存在でした。兄弟でプロポーズした結果、ヤガミヒメが選んだのはオオナムヂだったのです。
しかし、根の国から帰ってきたオオナムヂは、正妻のスセリビメを帯同していました。これにはヤガミヒメもビックリです。
現代とは常識が異なり、一家繁栄のためにもたくさんの子供を儲けなくてはならない時代です。ヤガミヒメはそれを理解していたので、しばらくは3人暮らしを続けていました。
しかし、正妻・スセリビメはオオナムヂを独占したい気持ちでいっぱいでした。根の国でオオナムヂのピンチを何度も救ってきた自負もあったのかもしれません。
しばらくすると、ヤガミヒメとオオナムヂの間に子供が誕生しました。ヤガミヒメはスセリビメの嫉妬深い性格に気づいていたので、このままだと家族間で争いが起こるのではないか?と心配しました。
そこで、ヤガミヒメはスセリビメに遠慮し、誕生した子を木の俣に置いて因幡の実家に帰ってしまいました。
この子供は木俣神(きまたのかみ)と言い、ご神木などに宿る神様のことです。
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