根の国からのエスケープ
~これまでのお話~
八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)に命を狙われ根の国に逃れたオオナムヂ。根の国でスセリビメと結婚しましたが、スセリビメの父・スサノオから試練を与え続けられます。 第4の試練は、スサノオの頭にいるムカデを取り除くことでした。スセリビメの機転で、オオナムヂはこの試練も無事にクリアします。気持ちよさそうに眠り始めたスサノオを見て、二人は目を合わせ頷きました。
スサノオが眠りにつくと、オオナムヂとスセリビメは目を合わせ頷きました。
もともとは八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)に命を狙われ根の国に逃げてきたオオナムヂ。しかし、スサノオは助けてくれるどころか、立て続けに過激な試練を与え、危うく命を落とすところでした。このままではいつか殺されてしまうかもしれません。
目を合わせ頷いたのは二人の固い決意の表れでした。根の国を離れ、夫婦として新しい生活をする覚悟を決めたのです。
そこで二人は、まずスサノオが熟睡しているのを確認し、ドキドキしながらスサノオの髪の毛を屋敷の柱に結び付けました。
髪を柱に結び終え部屋を出ると、500人がかりでないと動かないような大岩で扉を塞ぎました。オオナムヂはスセリビメを背負うと部屋を離れました。
次に、スサノオが大切にしている根の国の宝「生太刀(いくたち)」「生弓矢(いくゆみや)」「天の沼琴(あめのぬごと)」を屋敷のなかから探し出しました。
このまま中つ国(なかつくに:地上世界)に戻っても、八十神に命を狙われることになります。オオナムヂはスセリビメを守るためにも強い武具が必要だと考えたのでしょう。
二人はスサノオの屋敷を無事に脱出しました。さあ、一刻も早く屋敷から出来るだけ遠くへ逃げなければいけません。そうしないと、いつスサノオが目を覚ますかわかりません。
焦る気持ちを抑えつつ、オオナムヂはスセリビメを背負い、根の国の宝を持ち逃げ出しました。
ところが・・・・
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