古事記スクール

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ヤマサチは混乱している・・・

~これまでのお話~

 

出産を終えたトヨタマビメは産屋を出てきました。トヨタマビメは正体を見られていためヤマサチの前で泣き出しました

 

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ヤマサチは大いに動揺しました

 

泣き出したトヨタマビメの前で精いっぱいの言い訳を始めました

 

「いや、例えばサメじゃなくて

 

 正体が例えば広瀬すずちゃんだったら、

 

 ぜんぜん受け入れられるし!!

 

 い、いや、別に広瀬すずちゃんじゃなくたっていいんだ

 

 ほ、ほら!!

 

 どん兵衛のCM知ってる???

 

 吉岡里帆ちゃん、ああ見えて実はキツネじゃん!!

 

 あれ?どん兵衛って海の宮殿でも売ってたっけ?

 

 ねぇ、どん兵衛のCM知ってる?」

 

ヤマサチはメダパニがかかったかのように混乱し、

 

訳の分からないことを喋りまくりました

 

「い、い、いや!!

 

 そうじゃなくって・・・

 

 べ、別にオレはトヨタマビメがクジラだからって

 

 いや、サメだからって・・・

 

 そんなのカンケーねぇッ!!

 

 そんなのカンケーねぇッ!!

 

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どうにもこうにも収拾がつかなくなったヤマサチ

 

それを見ていたトヨタマビメが言いました

 

「ヤマサチ様・・・

 

 私は・・・

 

 私の正体を知られてしまったからには

 

 もうヤマサチ様と一緒に暮らすわけにはいきません

 

 うわーん!!」

 

トヨタマビメは泣きながら生まれたばかりの赤ん坊をヤマサチに手渡しました

 

「さようなら、ヤマサチ様

 

 ぐすん」

 

トヨタマビメはそう言うと、クルリと背中を向け海に向かって歩き出しました

 

「ちょ、待てよっ!!」

 

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ヤマサチはトヨタマビメの背中に声をかけました

 

よう

 

ヤマサチ、そして父になる

~これまでのお話~

 

出産を終えたトヨタマビメは、産屋から出てきました

 

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ヤマサチは後ろめいた気持ちになり、どうしていいかわからず固まっていました

 

(産屋を覗いたの、トヨタマにバレてるかな・・・

 

 きっとバレてるよな、あの時・・・

 

 ほんの一瞬だけど目があったし・・・)

 

先に口を開いたのはトヨタマビメでした

 

「ヤマサチ様

 

 元気な男の子ですよ

 

 ヤマサチ様の子ですよ~」

 

トヨタマビメはニコリと笑いました

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トヨタマビメの笑顔を見たヤマサチは少しホッとしました

 

(もしかして、トヨタマは気づいていないのかも

 

 そうだよ、ほんの一瞬だったし)

 

ヤマサチは少し前向きな気持ちになりました

 

そしてトヨタマビメに近づき、赤ちゃんの顔を覗きました

 

「お、お疲れ様、トヨタマビメ

 

 

 どれどれ、オレにも赤ちゃんを抱っこさせてくれ

 

  おお、かわいいのぅ~」

 

「バブバブバブバブ」

 

赤ちゃんはニコリと笑いました

 

二人は寄り添い幸せそうに赤ちゃんを見つめました

 

「本当にかわいいですね、ヤマサチ様

 

 もう、かわいくてかわいくて・・・

 ・

 ・

 ・

 でも・・・」

 

トヨタマビメは突然ボロボロと涙を流し泣き始めました

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「なぜ・・・

 

 なぜ産屋を覗いたのです!!」

 

 ヤマサチはぎくりとしました。。。

 

「ば、ばれてるぅ~Σ(・□・;)」

 

よう

ヤマサチ、自己嫌悪に陥る

~これまでのお話~

 

トヨタマビメを心配し産屋の中を覗いたヤマサチ。しかし、そこにいたのは巨大なサメでした

 

 

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「・・・・・

 

 やっぱり、見るんじゃなかった・・・」

 

産屋の中を覗いてしまったヤマサチは、激しい自己嫌悪に陥っていました

 

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「あの目、ぜったいに間違いない・・・

 

 まさか、トヨタマの正体がサメだったなんて・・・」

 

ヤマサチは必死に自分を納得させようとしました

 

「いや、前向きにとらえるんだ

 

 本性がサメなのではなく、

 

 サメに変身できる奥さん!!

 

 うん、悪くないぞ!!」

「でも、やっぱりサメだしなぁ・・・

 

 ほら、なんていうの・・・

 

 例えばサメじゃなくて、、、

 

 広瀬すずちゃんに変身

 

 できるとかさぁ・・・

 

 それだったらあっさり受け入れられると思うんだよ

 

 うん」

 

ヤマサチの思考はぐるぐるし、

 

なかなかザワつく心を静めることが出来ませんでした

 

その時のことです

 

ガラガラガラガラ

 

産屋の引き戸が開く音が聞こえました

 

ヤマサチが目をやると、そこにはトヨタマビメが立っていました

 

よう

ひみつのトヨタマちゃん

~これまでのお話~

 

ヤマサチは葛藤の末、妻・トヨタマビメの出産シーンをのぞき見することにしました

 

 

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ス~ッ

 

(失礼しまーす)

 

ヤマサチは息を殺し、静かに産屋の扉を開けました

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うおーん

わおーんトヨタマビメの声)

 

トヨタマビメはどこかな・・・)

 

ヤマサチの目に入ってきたのは・・・

 

 

ドーン!!

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(※トヨタマビメの正体はサメですが諸事情によりクジラ寄りのイラストになっております。ご容赦ください)

 

ウネウネウネウネ

 

「なな、なんだ?

 

 あの化け物は!!!?

 

 クジラ・・・

 

 いや、サメか???」

 

産屋の中にはトヨタマビメの姿はなく、そこにいたのはウネウネと動く巨大サメでした

 

「ううう、うわ~

 

 トヨタマビメはどこだ?

 

 もしかして、サメに食べられたのか???」

 

驚いたヤマサチは思わず叫んでしまいました

 

その時のことです

 

チラッ

 

ヤマサチは一瞬、ほんの一瞬、巨大サメと目が合ったような気がしました

 

(ま、まさか!!?)

 

ヤマサチは産屋の戸を素早く閉めました

 

そして、その場にへたり込みました

 

「まさか・・・

 

 あの目・・・

 

 クリクリとした・・・

 

 そしてちょっとタレ目な・・・

 

 あの目は紛れもなく…

 

 あの巨大サメが

 

 トヨタマビメなのか???」

 

ヤマサチの声に答えるものはいませんでした

 

もう天の声は聞こえませんでした

 

 

よう

ヤマサチ、決意する!

~これまでのお話~

 

産屋の中に入ったトヨタマビメは苦しそうな声を上げていました。心配するヤマサチに天の声が中を見るよう諭しました

 

 

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うう~

うおーん

 

トヨタマビメの苦しそうな声が産屋から漏れています

 

 「よし!」

 

ヤマサチヒコはキリッとした表情をしました

 

「産屋の中を見てみよう

 

 ちょっと様子を確認するだけだ

 

 トヨタマビメに何かあってからでは手遅れだ

 

 だって心配なんだモーン

 

 まあバレなきゃ大丈夫だろう」

 

それを聞いた天の声は嬉しそうに言いました

 

「そうだ!!

 

 それでいいのだ、ヤマサチヒコ!!

 

 お前にこれをやろう!」

 

ポトリ・・・

 

ヤマサチの前に何かが落ちました

 

「これは?」

 

ヤマサチはそれを拾い上げました

 

天の声は言いました

 

「それをかけてみろ」

スチャッ!!

 

ヤマサチはそれをかけました

 

「おお!!

 

 ブルーライトがカットされている!!

 

 さすがメイド・イン・ジャパーーーーン!!」

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ヤマサチは静かに産屋の扉に近づくとすこしだけ扉を開けました

 

スー(扉を開ける音)

 

そして

 

扉の隙間からそっと産屋の中を覗きました

 

よう