~これまでのお話~
諏訪に移り住んだタケミナカタは、些細なことから妻・ヤサカトメノカミと大喧嘩をしてしまいました。タケミナカタは村人の話から、ヤサカトメノカミが湖を渡り家を出てしまったことを知りました。
ヤサカトメノカミが家を出たことを知ったタケミナカタは、すぐに後を追いかけようとしました。
すると、、、
「おお、こりゃ大漁だな!!」
「見ろ、この立派な魚を!!」
漁をしている村人の声が聞こえてきました。
(うっ、まずい。
今、ヤサカトメノカミを追いかけたら・・・
『妻の尻に敷かれている神』
というレッテルを貼られてしまうかもしれん!!)
村人たちはタケミナカタの姿に気づきました。
「あれ?タケミナカタ様でねぇか??」
「タケミナカタ様、そんなとこで何をやってるだ?」
タケミナカタは咄嗟に答えました。
「あ、ああ、ちょっと考え事をしていたのだ。
それより大漁のようだのう。大したものだ!!
そうだ、オレにも網を打たせて(投げさせて)もらえないか?」
(何かしていないと居ても立ってもいられない・・・)
村人は喜んで答えました。
「おおい!!
タケミナカタ様が網を打つぞ」
人気者のタケミナカタが網を投げるということで、たくさんの村人が集まってきました。
タケミナカタは精神を集中していました。
(集中しろ!!大丈夫だ、今は網を投げることに集中するのだ
妻のことは後で考えるのだ。大丈夫だ、大丈夫だ)
「いくぞ!!
うぉぉぉぉぉ!!!」
ブ―――ン!!!
タケミナカタの放った網はすごい勢いで飛んで行きました。
「タ、タケミナカタ様っ!!」
「これは大変なことだっ!!」
驚きの声を上げる村人たちを前に、タケミナカタは冷静に答えました。
「フフ、これくらい朝飯前ってもんだ」
村人は続け撒した。
「タケミナカタ様!!手綱を放しちゃダメでねえか!!」
「網が湖に飛んで行ってしまっただ!!」
タケミナカタはハッとして言いました。
「しし、しまったー!!」
つづく
よう