~これまでのお話~
美しく賑やかに発展した中つ国の統治を、高天原にいるアマテラスは息子のオシホミミに任せたいと考えました。そこで、中つ国へ使者としてアメノホヒを送りましたが、オオクニヌシに懐柔され中つ国に居ついてしまいました。次の使者としてアメノワカヒコが送られましたが、オオクニヌシは宴会を開き、ワカヒコはオオクニヌシにペースを握られてしまいました。そこへオオクニヌシの娘シタテルヒメが現れました。
オオクニヌシに呼ばれ、娘のシタテルヒメが宴会場にやってきました。
ワカヒコはシタテルヒメの姿を見て思いました。
「めっちゃタイプや~ん!!!」
その姿はあまりに美しく、ワカヒコは直視できませんでした。
そんな気持ちは露知らず、ワカヒコの隣に座りお酒を注ぐシタテルヒメ。ワカヒコの心臓はバクバクし、爆発寸前でした。
(こ、こんなにマブい女神は高天原にはいない。すごいぜ、中つ国…)
すっかり落ち着きを失ったワカヒコは、お酒をガブガブ飲みました。
その様子を見ていたオオクニヌシは言いました。
「なぁ、ワカヒコ殿。ちょっとお尋ねしたいのだが・・・」
すっかり酔っぱらっていたワカヒコでしたが、その言葉で冷静さを少し取り戻しました。
(いかん、いかん、私は高天原の代表で来ているのだ。オオクニヌシのやつ、酒で酔わせて何か条件提示をしてくる腹積もりだな。そうはいかないぞ!!)
「なんでしょうか、オオクニヌシ殿。」
ワカヒコは警戒しながら、オオクニヌシの次の言葉を待ちました。
「いや、こうしてワカヒコ殿とシタテルヒメを見ていると、とてもお似合いだと思いましてね。ワカヒコ殿には高天原に家族がいるのですか?」
オオクニヌシは続けました。
「いやいや、失礼。ワカヒコ殿ほどの男神が未婚ってことはないか・・・。ワカヒコ殿ならシタテルヒメの婿殿として申し分ないと思ってしまいました。娘に幸せになってほしいという親心なんです。今の言葉は忘れてくだ・・・」
「オオクニヌシ殿~っ!!」
ワカヒコは大声でオオクニヌシの言葉を遮りました。
「わ、私には!!」
「私には~っ!!」
「た、高天原に~っ」
「か、家族・・・」
「家族・・・」
さあ、勇気を出せ!!真実のみを口にするのだ!!
ワカヒコ、ワカヒコ~♪
よう