~これまでのお話~
中つ国(なかつくに:地上世界)で八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)との戦いを制したオオナムヂはオオクニヌシと改名し国造りをスタートしました。モテモテのオオクニヌシは、領土を広げるたびにその土地の美しい女神と婚姻関係を結びました。一方、正妻のスセリビメはオオクニヌシが国造りと称して家を空けてばかりいたので、寂しい思いをしていました。次は大和(現在の奈良県)に出かけようとしていたオオクニヌシですが、スセリビメの歌に心を打たれ、出かけるのを取りやめ二人でのんびり過ごすことにしました。
スセリビメは、オオクニヌシに愛の歌を送ることで、オオクニヌシの心を再び自分の元へ手繰り寄せることに成功しました。
これ以降、オオクニヌシの浮気の虫は収まり、その後はたった3人の女神を妻に迎えるだけにとどまり、オオクニヌシとスセリビメは仲睦まじく暮らしました。
このようにオオクニヌシは各地を巡り、多くの妻を娶り、たくさんの子孫を残しました。
オオクニヌシは女性好きではありましたが、「この国を良くしたい」という志は常に持っていました。
ですので、これ以降は各地を回り、国を豊かにする旅を続けました。
ある日、たくさんの従者を連れ御大之岬(みほのみさき:美保の岬)を訪れた時のことです。
海のかなたからキラキラと輝く何者かが近づいてくるのが見えました。
「ん?あれはいったい何者だ???」
オオクニヌシと従者達は目を凝らして近づいてくるキラキラを見つめました。
よう