古事記スクール

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【紙しばい】菅原道真〜怨霊から学問の神様へ〜

8/25(木)菅原神社(町田市本町田)で例大祭が執り行われます。

 

その間、参集殿で「菅原道真〜怨霊から学問の神へ〜」の紙しばい(風)を披露させていただくことになりました(15:00〜18:00の間、随時おこないます)

 

菅原道真が怨霊から学問の神様へと変貌していくサマを約20枚にまとめました。

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菅原神社の例大祭にお出かけの際は、ぜひ参集殿にお立ち寄りください。

 

菅原神社

https://www.sugawarajinja.com

デジタル紙しばい「親子古事記」

2/11㊗️ 建国の日 イベント
デジタル紙しばい『親子古事記 』
日時:令和4年2月11日㊗️10:00〜12:00


【ZOOM開催になりました】

 

200枚以上のイラストを使った紙芝居のような古事記です。当初は和歌山県での開催を予定していましたが、コロナの影響によりリモート開催となりました。

 

参加費は無料です。


希望者は

メールのタイトルに「古事記zoom参加希望」と記載していただき、

①住所

②お名前

③生年月日

(公社)和歌山県青少年育成協会
MAIL: wakatsu@cypress.ne.jp
担当:寺前 さんまでお願いします。


締切 2月3日17:00 です!

 

(※希望者多数の場合には抽選になるそうです)

 

#楽しいよ古事記
#是非お子様と!
#お一人様も大歓迎!です。

宜しくお願い致します🙇‍♂️

#044 鳴り響く(2021年4月20日)

【#044 鳴り響く(2021年4月20日配信)】

 

世界にはいろいろな神話があります。いろいろな神話があるんですが…その世界のスタートの仕方は主に3パターンに分かれると言われています。「造る、生む、成る」の3パターンです。

 

キリスト教は造るですよね。神が世界を創造しました。では、日本はどうでしょうか?「国生み神話」っていう言葉があるくらいなので、生むももちろんあるんですが、一番最初はナルです。

 

最初にぐちゃぐちゃのカオスな世界があり、気の遠くなるような時間が経過するとドロドロしたものが沈み、モヤモヤが晴れます。すると、天と地に分かれます。これ、誰も手を加えていません。それで、天と地に分かれると、そこから神々が自然発生してきます。勝手に成ったんです。

 

広大な庭…いつのまにか草が生えてきます。自然発生です。お風呂のカビもそうです。前に古事記では人のことを「青人草」と表現していて「人も草も勝手に生えてきた存在なんですよ」というようなお話をしましたが、これもナルです。人も自然発生です。

 

さて皆さん、このclubhouseを聞いてくださっている方は、ほぼiPhoneユーザーのはずです。この配信が終わったらiPhoneで「なる」って入力して変換してみてください。どんな漢字に変換されますか?

 

成功の成るはもちろん、ナマの生る、タメも為る、慣れるもありますし、馴じむという字も出てきます。古代の日本人にとってナルは変わること、化けること、産まれること、実ること…それらをすべて包括していたとも言われます。こういうこと全部ひっくるめてナルなんですね。

 

なりゆきに任せるっていう言葉がありますが、まさにそのまんまですよね。

 

さて、さっきiPhoneで文字変換の話をしましたが、もう一つ重要なナルがあります。そうです、鳴るです。鳴り響くのなるです。

 

古今和歌集の仮名序には「うぐいすも、かえるもみんな歌っている」って書いてあります。ミミズもオケラも、アメンボも…みんな歌っているんです。つまり日本人は自然界の音、すべてを歌として聴いてきたわけです。このセンス、最高です。

 

ある日、僕は気づきました。自然界の音を歌として聞くことが出来る日本人にとって、神様はありとあらゆるところで鳴り響いている存在なんだ、と。

 

今上陛下のお名前、ご存知ですか?ご存知ですね?

もし知らない方がいたらiPhoneでしらべてみてください。

#043 いつまでも変わらぬ愛を(2021年4月19日)

【#043 いつまでも変わらぬ愛を(2021年4月19日配信)】

 

「愛」ってどんなイメージがありますか?とても良い言葉のような気がしますが…

 

実は、仏教で使用される「愛」は、悪い意味として使用される場合が多いです。

 

例えば「渇愛(かつあい)」という言葉があります。のどが渇いたときに水が欲しいというような、激しいむさぼりという意味ですね。強烈な執着です。仏教の愛は執着。煩悩の一つなんです。仏教ではこの渇愛が人間の愛の本体だと言います。この愛を求めることが苦悩の源だと言われたりします。

 

じゃあ、日本古来の愛ってなんでしょう?

 

僕は「むすひ」だと思っています。

 

この世界には「むすひ」のエネルギーで満ちています。古事記の序盤にタカミムスヒ、カミムスヒのというムスヒの神があらわれるのですが、このムスヒのエネルギーが世の中に行き届くことであらゆる生命が生まれることが可能になりました。

 

今朝、朝活をおこないました。その中で参加してくれた方が「春の景色の美しさ」についてお話してくれました。

 

新緑が目に鮮やかで、風も和らぎこれから夏に向かっていく…

 

なんて美しいのでしょう。当たり前のようですが、自然界ではこの季節の変化を毎年忘れずに繰り返してくれています。ちなみに美しいという言葉は「移り行く」という意味もありますね。移り行く様、変化していく様が美しいのです。

 

植物なら、種が落ちて、土と結ばれ、芽が出て、花が咲いて、実がなる。これがムスヒですね。種だけでは芽が出ない。結ばれるから芽が出るのです。

 

例えば海の幸、山の幸って誰が与えてくるんでしょう?

 

ミカンの木があったとして…毎年、文句を言わずに勝手に実をつけます。タケノコもニョキニョキ伸びますし、海のなかにはたくさんの魚がいます。

 

生き物だけじゃありません。石油とか天然ガスと長い時間をかけてムスヒを経て、エネルギーになります。

 

もちろん空気も水も…世界は豊かさで満ち溢れています。これ、自然が勝手に与えてくれています。ムスヒのエネルギーが頼みもしなくても勝手に、豊かさを与えてくれています。ありがたいですね。

 

世界は「愛」で満ち溢れています。実をつけたミカンを独り占めにするか、みんなで分け合うか…与えられた豊かさをどう分配するかは人間の裁量ですね。

 

最初に仏教における愛は執着だといいましたが…愛は訓読みで「めでる」とか「まな」ってよみますね。愛娘とかね。愛するは…ちょっとなんというか対象への執着とか恋愛感情も含みますが、「めでる」は一方通行といいますが、ひたすら注ぐ、見返りを求めない無償の愛みたいな感じでしょうか?

 

ミカンの木も見返りを求めたりしませんよね。それが本来の日本の愛というか、もしくは執着を意味する愛が、日本的変容を遂げたのかもしれない、そんな風に僕は思っています。

#042 ラーメンは日本食?(2021年4月17日)

こんにちは。

 

今日は「ラーメンは日本食?」です。

 

最後は…なぜかラーメンとカレーの話になっています。

 

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【#042 ラーメンは日本食?(2021年4月17日配信)】

 

古事記は天武天皇(てんむてんのう)主導で作られたと言われています。その頃、中国は唐の時代です。遣唐使の唐です。

 

唐からですね、日本に大陸のナウい文化がどんどん入ってきます。天武天皇はその流れを

 

「ちょっとヤバいんじゃないか?」

 

と思ったんだと思います。

 

そんなわけで、まあ理由はそれだけではなかったと思いますが、古事記を作ってですね、国民に、

 

「日本ってこんな国だ、海外の文化を取り入れるのもいいけど、日本らしさを忘れるな」

 

みたいな、そういうメッセージを送ろうとしたんだと僕は思うんです。

 

話を古事記に戻します。戻るっていうかそもそもしてないか。

 

古事記の冒頭に天地開闢(てんちかいびゃく)といって、この世のスタートについて書かれているのでが…

 

まず、世界があって、その世界にバンバン神様が現れます。空を持ち上げたり、地上を支えたり…そういうエネルギーのことを神様と呼んでいるわけですが。

 

その神様の現れ方なのですが、最初に3柱、次に5柱、その次に7柱という書かれています…厳密にいうと違うのですが、まあ今日はそういうことにしておいてください。3柱、5柱、7柱っていう感じで登場します。

 

例えば3なら古来から縁起の良い数字とされてきたわけですが…3、5、7というのは仏教の聖数でもあります。聖数、聖なる数字です。

 

阿弥陀三尊像、釈迦三尊像とか聞いたことありませんかね?

 

仏像の配置の仕方でこの3つの像の配置がもっとも安定するという考え方です。これも最近していた三角形の話ですね。

 

もっと馴染みがあるのは、

 

3なら一周忌の次が三回忌だったり、

 

5だと五戒…5つの戒律ですし、

 

7なら初七日、7×7の49日とか…色々ありますよね。

 

先ほど、古事記の冒頭に3、5、7の神様が現れると言いましたが、これはまず間違いなく仏教の影響も受けています。「仏教も」ですよ。「仏教の影響を」でなく「仏教の影響も」です。じゃあ天武天皇は脱中国、日本オリジナルを目指したのにダメじゃん、古事記って中国のパクリじゃんって思うかもしれませんが、そうじゃありません。

 

日本らしさっていうのは、

 

「外から来た文化を真っ向から否定せず「よく来たね~」と歓迎し、もともとある文化と上手に融合させ、さらに磨きをかける」

 

ということだと思います。

 

神仏習合とか…すごすぎますよね。もともと日本にいた八百万の神々と海外からやってきた仏教を融合させました。仏教というのは日本人に馴染んだわけです。日本人は仏教を自分たちのものにしたんです。

 

令和になったとき、令和の由来は「万葉集だ」となりましたが、その後「いや、もとは中国の古典に由来する」みたいな反対意見がでました。すぐそうやってネガティブに持っていこうとするやつらがいます。

 

僕は「おいおいちょっと待て」と思いました。

 

「風和」って書いて「風和らぎ(かぜやわらぎ)」なんて読めるのは、万葉人(まんようびと)のセンスを受け継ぐオレらじゃなきゃ無理だわ!って話です。

 

論語もそうですね。

 

「論語を誰よりも愛し大きな影響を受けているのは中国人でなく日本人だ」

 

なんて言われます。評論家の石平(せきへい)さんは、

 

「日本の生活と勉学のなかで「論語の心」を発見し、理解することができた」

 

とおっしゃっています。ラーメンだってカレーだって、今じゃ日本食みたいなもんですよね?