~これまでのお話~~
美しく賑やかに発展した中つ国の統治を、高天原にいるアマテラスは息子のオシホミミに任せたいと考えました。そこで、中つ国へ使者としてアメノホヒ、ワカヒコを送りましたが二人ともオオクニヌシに懐柔され中つ国に居ついてしまいました。そして八百万の神々の話し合いの結果、次はキジの鳴女(ナキメ)を送ることになりました。ナキメはワカヒコの屋敷の庭にある桂の木にとまり、アマテラスからのメッセージを伝えました。しかし、ワカヒコは弓矢でナキメを射殺してしまいました。
その頃・・・
高天原(たかまのはら:天界)では、アマテラスがソワソワしていました。
「ああ、ナキメは無事にワカヒコの元に辿り着いたのかしら?」
その様子を見たオモイカネノカミは言いました。
「アマテラス様、ご安心ください。ナキメなら大丈夫ですよ。信じて待ちましょう。」
その時です。
ビューン、サクッ!!
アマテラスの足元に何かが飛んできて、そのまま地面に刺さりました。
なんとそれは矢でした。
「ちょ、ちょっと危ないじゃない。誰なの?弓矢の練習?」
そしてアマテラスはその矢を地面から引き抜くと・・・
その矢には血が着いていました。
「こ、これは私がワカヒコに授けた矢だわ!!」
その声を聞いた八百万の神々が、アマテラスのもとに続々と集まってきました。
「血が着いた矢だって?」
「殺人事件か?」
「なんでもアマテラス様がワカヒコに授けた矢らしいぞ」
「じゃあ、ワカヒコが犯人なのか?」
「い矢~ん」
ざわざわざわざわ
高天原は大騒ぎです。
よう