~これまでのお話~
ウミサチの釣り針を手に入れたヤマサチは、中つ国へ戻ってきました
「ヤマサチ~、どこにいるんだ~???」
もうどのくらいの月日が流れたでしょうか
ウミサチは今日も行方知らずになった弟ヤマサチを探していました
「ヤマサチィ~
釣り針のことはもういいから・・・
頼むから返事をしてくれ~」
ウミサチの声は虚しく海岸に響き渡りました
その時のことです
「お兄ちゃ~ん」
ウミサチは驚いて声の聞こえるほうに目を凝らしました
遠くに小さな緑の塊が見えます
「も、もしやあれは???」
小さな緑はどんどん近づいてきます
「あれは???
ヤマサチに間違いない!!
ヤマサチィ~!!!」
ウミサチはヤマサチに向かって走り出しました
二人の距離はグングン縮まります
「ヤマサチィ~!!」
「お兄ちゃん~!!」
二人は感動の再会を・・・・
・
・
・
・
・
「ぶっ!!?」
「釣り針返せやっ!!
このバカサチが~っ!!」
ウミサチはヤマサチの姿を見ると怒りがこみ上げてきました
(な、なんて執念深い性格なんだ・・・)
ヤマサチは殴られた頬を抑えながらそう思いました
よう