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タケミカヅチvsタケミナカタ⑧

~これまでのお話~ 

 

高天原のアマテラスは、美しく発展した中つ国の統治を息子に任せたいと考えました。そこで中つ国の王・オオクニヌシの元に繰り返し使者を送りましたが、なかなかうまくいきません。そこで次の使者として武神タケミカヅチを送りました。オオクニヌシオオクニヌシの180人の子供を束ねる息子のコトシロヌシは国譲りに好意的でしたが、タケミナカタは猛烈に反対しました。そこで国を賭けタケミカヅチタケミナカタは勝負をすることになりました。タケミカヅチの術の前にタケミナカタは戦意を喪失したようでしたが、たったひとつだけ策があると言いました。

 

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力は互角ながら、タケミカヅチの術を目の当たりにし、もう打つ手がないように思われたタケミナカタ

 

しかし、まだ策が残っていると言いました。

 

タケミナカタは言いました。 

 

「それは・・・」

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「逃げるっ!!」

 

タケミナカタはクルリと回り、タケミカヅチに背中を見せると、勢いよく駆け出しました。

 

呆気にとられるタケミカヅチは、しばしタケミナカタの背中を見つめていました。

 

そして叫びました。

 

「見損なったぞ!!タケミナカタッ!!

 

我らの勝負を侮辱するのかっ!?」

 

タケミカヅチタケミナカタの背中を追いかけました。

 

そして不思議に思いました。

 

(何かがおかしい???

 

相手に背中を見せて逃げるような男には思えない・・・)

タケミナカタは逃げて逃げて逃げて・・・逃げ続けました。

 

いくつもの山を越えました。

 

いくつもの谷を越えました。

 

いくつもの川を越えました。

 

 どのくらい走り続けたのでしょうか?

 

タケミナカタは科野国の洲羽の海(信濃の国諏訪湖)に辿り着きました。

 

そして走るのをやめ、クルリと体を反転させました。

 

すぐ後を追いかけてきたタケミカヅチタケミナカタに追いつきました。

 

2人は肩で息をし、無言のまま目を合わせました。

 

タケミナカタの表情は全てを受け入れたようなとても晴れやかなものでした。

 

 息を整えたタケミナカタは言いました。

 

タケミカヅチ、オレの負けだ。

 

その氷の剣でオレの首を刎ねろ!!」

 

 

 

よう 

 

 

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