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#035 釣り竿のお話(2021年4月10日)

こんにちは。

 

今日は「釣り竿のお話」です。

 

えびす様って釣り竿を一本だけ持っています。

 

でも、漁をするなら網の方が効率よくないですか?

 

えびす様が釣り竿を一本だけ持っている理由についてお話しています。

 

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#035釣り竿のお話(2021年4月10日配信)

 

今日は釣り竿のお話です。釣り竿といって思い出す神様、いますか?

 

古事記にも出てきます、釣り竿を持ってる神様。

 

はい、えびす様ですね。七福神にも名を連ねる大人気の神様です。あ、ご存知と思いますが、七福神の中で唯一日本の神様であるのがえびす様です。

 

ひと口にえびす様と言っても、ヒルコとかコトシロヌシとかスクナヒコナとか…いろいろなパターンがあります。この話をするとあっというまに時間がなくなるので、今日はしません。

 

簡単にいうと「海から豊かさを与えてくれる」のがえびす様です。そこからだんだん商売の神様になっていくわけですね。

 

昔は、イルカやクジラのこともえびすと呼んだ時代がありました。

 

「鯨ひとつ取れば七浦(ななうら)潤う」

 

って聞いたことありませんか?鯨を一匹捕まえたら七浦…うらっていうのは漁村と思ってもらっていいと思います。一匹でたくさんの漁村が潤うくらいたくさんの恩恵を与えてくれる…クジラはそんなありがたい存在としてえびす様の化身であるとされていたんですね。

 

日本人は捕った鯨に戒名をつけてお祈りします。和歌山のエビス神社はクジラの骨で鳥居が作られていますよね。日本人が鯨をとても大切にしていたことがわかると思います。

 

さて、話を戻します。今日、ビジネスしてる人、どのくらいいるでしょうか?なんとなく会社にえびす像が置いてあることをイメージしてください。商売繁盛のえびす様です。

 

でも、おかしいですよね?商売繁盛ならなんでえびす様は釣り竿一本なんでしょう???

 

がっぽり儲けるなら竿じゃなくて網を使いませんか?もってる鯛も一匹だけですよね?たまにエビスビールのデザインは2匹鯛を持ってるらしいですが。

 

このえびす様の姿は「暴利をむさぼらぬ清廉の心を象徴」していると言われています。エビで鯛を釣るっていいますけど、あれはタナボタとは違うんですね。網で一網打尽にするような商売ではなく、先のことを考え、竿をつかい糸を垂らす。地に足のついた地道なビジネス。そして「よく頑張ったね」といってえびす様がタイを一匹くれるというわけ。

 

会社で商談をしていたとして、そこにエビス像があったとします。これは自分の利益ばかり考えない、相手のことも思いやる、お互いのためを思い、信頼して商売をしましょう!という決意表明になるわけです。

 

えびす様が見ていますから嘘はつけません。近江商人の経営理念に「三方よし」ってありますよね。売り手も買い手も世間も喜ぶビジネスをしましょうって。それに似ていると思います。

 

今日のお話はどうだったでしょうか?ちょっとだけ今日も三角形の話になりましたね。

みなさん、うまい話にはお気を付けください。いつもエビスさまが見ています。僕も気をつけます。