「お兄ちゃん…
スサノオがオオナムヂにはなむけの言葉を贈ったのを真似してるんでしょうけど…
そんなの誰もわかんないからねっ!!」
「本当によろしいのですか?
聖さんをあきらめるのですか?」
巫女さんが言った。
「もちろんですとも!!
オレはお姉さん一筋です。
オオクニヌシのようなナンパヤローとは違うのです。
この須賀ノブナガに…
二言はないっ!!
カーッカッカッカッ!!」
すると巫女さんは少し気まずそうに言った。
「あの〜〜
大変言いづらいのですが…」
4人は巫女さんの次の言葉を待った。
「私、大阪に家族がおりますの」
ノブナガは大きく頷いた。
「わかっておりますとも。
近いうちに大阪のご両親にご挨拶に伺いましょう!!
現代の「中国大返し」をご覧に入れますよ。
カーッカッカッカッ!!」
「いや…そうでなく…」
巫女さんが続けた。
「大阪に夫と子供がおりますの」
・
・
・
ズコーーーッ!!
それを聞いたノブナガは見事にズッコケた。それは教科書に載せたいくらい基本に忠実なズッコケだった。
「くっ、そ、そんな…
あ、あんまりだ!!
後出しジャンケン的な…」
聖がつぶやいた。
「ノブナガさん…かわいそう…」
その時だった。
「ギャーッハッハッハッハッ!!
ヒーヒーヒー
ウヒーーーー
お兄ちゃん…
あんまり笑わせないでよ、ヒーーー
何一人で盛り上がってんのよーーー」
カナコが笑い出した。そして続けた。
「何が正妻よ、誰が側室よ。
あ、お兄ちゃんが巫女さんの側室になれば?
あれ?その場合は側室って言うの?
もしかして側男?
須賀側男!!
アヒーーーーッ!!」