「ふふふ。
ちょっと奏上してみましょうか」
巫女さんはそういうと、目を閉じて背筋を伸ばした。そして、フーと息を吐くと胸の前で二度柏手を打った。
パンッ!
パンッ!!
柏手はきれいに境内に響いた。そして巫女さんは声を発した。
「高天原に坐し坐しまして〜〜
天と地に御働きを現し給う龍王は〜〜
・
・
・
六根の内に念じ申すぅ〜〜
大願を成就なさしめたまえと〜〜
かしこみかしこみ〜
もぉぉぉすぅ〜〜」
祝詞を奏上した巫女さんは再び柏手を打つと深々と頭を下げた。
「ふ〜〜
いかがでしたか?私の龍神祝詞は?」
巫女さんは清々しい笑顔で言った。
カナコが興奮気味に言った。
「お姉さん、すごい!
私、聞き入っちゃいましたよー」
聖が言った。
「うんうん、私…
なんか空気が変わるのを感じました」
陽は黙ってはいたが、聖の言う通りあたりの空気が澄んだように感じた。
「うーむ、素晴らしい!!
透明感があり、声量も申し分ない。
我らがSFBに加入してもらいたいくらいだ!」
「エスエフビィ???
なんですか?それは?」
ノブナガが言うと巫女さんは不思議そうに聞いた。ノブナガは続けた。
「スサノオ
ファイアー
ボール。
オレの作ったバンドです。ちょうどボーカルをクビにするところなんで、良かったら加入しませんか?
そして2人で初めての共同作業を…」
グイッ!!
「イタタタタタ!!
やめろっ、カナコ!!
冗談だ!冗談に決まってるだろ!!」
カナコがノブナガの長い髪を思いっきり引っ張った。
「お兄ちゃんが口を開くと話が進まなくなるから黙っててくれる?
でも…
本当に素敵な声。いつか一緒にステージに立ちたいくらいだわ」
「ウフフフ
それは光栄です」
巫女さんは嬉しそうに言った。
「で…
今の祝詞と宇宙にどういう関係があるんですか?」
陽は巫女さんに質問した。