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【新古事記137】動揺するイザナギ

大火傷を負ったイザナミは病に伏した。するとイザナミの吐瀉物、尿、便からも神様が生まれた。


「・・・・・


なんだ、この汚い話…


ゲロが鉱山の神、おしっこが水の神、ウンチが土の神になりました…だって?


なんとも受け入れがたい…」


横たわるイザナミを前にしたイザナギの動揺っぷりは尋常ではなかった。イザナミの枕元で足元で腹ばいになって心配したと書かれていた。


「ぷっ、なんだこれ?


イザナギ、動揺しすぎだろ?


それでも神かよー

でも、もし、イザナミが聖だったら…」


動揺するイザナギの姿を最初は情けなく思っていた陽だったが、少しずつ感情移入するようになっていった。


陽は首をブンブンと横に振った。


「聖がイザナミだなんて…


そんな縁起でもないことを考えるのはやめよう」


陽がさらに読み進めると、イザナギの看病も虚しく、ついにイザナミは死んでしまった。


「え?そうなの?


死んじゃうの?


助からないの?


イザナミ、神様なのに死んじゃうの?」


陽には神様が命を落とすという展開が意外に思えた。


愛する妻イザナミを失ったイザナギの瞳から涙が流れた。その涙にはナキサワメという女神の名前が与えられていた。


「おお、コレなんかいいかも。


涙も女神なんだー


うん、このセンスは好きだな、オレ」


やがてイザナギの悲しみは、イザナミの生命を奪った火の神・ヒノカグツチへの怒りと変わった。


イザナギは腰に収めた十拳剣(とつかのつるぎ)を抜くと、カグツチの首を斬り落としたた。