~これまでのお話~
兄・ウミサチの釣り針を無くし困っていたヤマサチの前に、塩土の翁が現れ海の宮殿に向かう小舟を作ってくれました
ヤマサチは塩土の翁の作った小舟を前に言いました
「か、かっこいい~
でも、オレ・・・
運転できるかなぁ・・・
なにせ原付の免許すら持っていないので・・・」
塩土の翁は言いました
「ほっほっほっ、安心してください
この小舟には最新の
『自動運転システムが登載』
されています
乗り込めば海の神の宮殿まで連れて行ってくれますよ」
ヤマサチは喜びました
「おお、それは至れり尽くせりですなぁ
塩土の翁さん、ありがとうございます
さっそく行ってまいります」
塩土の翁は答えました
「なになに、お安い御用ですよ
もう出発されますか
海の宮殿の玄関前に井戸があります
その井戸のすぐ横には桂の木が生えています
海の宮殿に着いたら、桂の木に昇ってください
海の神の娘があなた様を見つけてくれるでしょう
それではお気をつけて」
ヤマサチは小舟に乗り込むと、海の宮殿に向かい出発しました
「むむぐぐ・・・
乗り心地はイマイチだな・・・
まぁ贅沢は言えないよな・・・」
小舟の中は思いのほか狭かったのですが、
元気よくグイグイと進んでいきました