諏訪に移り住んだタケミナカタは、些細なことから妻・ヤサカトメノカミと大喧嘩をしました。ヤサカトメノカミは家出をし湖を渡ってしまいました。毎晩、タケミナカタは村人が寝静まるのを待ち、ヤサカトメノカミの元を訪れましたが、会うことが出来ずにいました。ある冷える夜、タケミナカタは湖を渡ろうとしましたが、湖は凍りタケミナカタは船を使うことが出来ませんでした。
タケミナカタが凍る湖を目の前にしているころ・・・
村一の野次馬根性を持つ文春(フミハル(仮名))は、スクープを求め湖の畔をウロウロとしていました。
「ちっ!!こんな寒い夜だから~スクープなんかすっぱ抜けるわけないか・・・」
その時です。
ガリガリガリガリガリ!!
湖の氷が高速で削れるようなすごい音が聞こえました。
「む?なんだ?もののけの仕業か!!?」
文春は恐怖におののき、体中が震えていました。
しかし、
「オレもジャーナリストの端くれだ!
ここで引いてなるものかっ!!」
勇気を振り絞り、真相を確かめることにしました。
木の陰に隠れ、恐る恐る湖畔に目を向ける文春・・・
「なんだ?あれは!!?」
文春は目を疑いました。何者かが、湖上を物凄いスピードで移動しています。
文春はもう少し良く見ようと、目を凝らしました。もう体の震えは止まっています。
「あれは???」
「タ、タケミナカタ様じゃないか!!」
なんと凍り付いた湖面を物凄い勢いで走り続けているのは、タケミナカタでした。
文春は思いました。
「いったいこんな真夜中になにをしているんだ???
もしかしてだけど~♪
もしかしてだけど~♪
まさかの下衆不倫???」
文春は急いでタケミナカタの後を追い駆け出しました。
よう