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タケミナカタ物語⑨

諏訪に移り住んだタケミナカタは、些細なことから妻・ヤサカトメノカミと大喧嘩をしました。ヤサカトメノカミは家出をし湖を渡ってしまいました。毎晩、タケミナカタは村人が寝静まるのを待ち、ヤサカトメノカミの元を訪れましたが、会うことが出来ずにいました。ある冷える夜、タケミナカタは湖を渡ろうとしましたが、湖は凍りタケミナカタは船を使うことが出来ませんでした。

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タケミナカタが凍る湖を目の前にしているころ・・・

 

村一の野次馬根性を持つ文春(フミハル(仮名))は、スクープを求め湖の畔をウロウロとしていました。

 

「ちっ!!こんな寒い夜だから~スクープなんかすっぱ抜けるわけないか・・・」

 

その時です。

 

ガリガリガリガリガリ!!

 

湖の氷が高速で削れるようなすごい音が聞こえました。

 

「む?なんだ?もののけの仕業か!!?」

 

文春は恐怖におののき、体中が震えていました。

 

しかし、

 

「オレもジャーナリストの端くれだ!

 ここで引いてなるものかっ!!」

 

勇気を振り絞り、真相を確かめることにしました。

 

木の陰に隠れ、恐る恐る湖畔に目を向ける文春・・・

 

「なんだ?あれは!!?」

 

文春は目を疑いました。何者かが、湖上を物凄いスピードで移動しています。

 

文春はもう少し良く見ようと、目を凝らしました。もう体の震えは止まっています。

 

「あれは???」

 

「タ、タケミナカタ様じゃないか!!」

 

なんと凍り付いた湖面を物凄い勢いで走り続けているのは、タケミナカタでした。

 

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文春は思いました。

 

「いったいこんな真夜中になにをしているんだ???

 

 もしかしてだけど~♪

 

 もしかしてだけど~♪

 

 まさかの下衆不倫???」

 

文春は急いでタケミナカタの後を追い駆け出しました。

 

 

よう