コトシロヌシ物語
中つ国の統治はオオクニヌシからアマテラスの孫ニニギに譲られました。ニニギは従者を連れ、中つ国の高千穂に降りそこを住居に決めました。
ニニギが高千穂に降臨し、住居を決めていた頃・・・
オオクニヌシの長兄であるコトシロヌシは、海の宮殿を訪れていました。
コトシロヌシはタケミカヅチに国譲りを迫られ、同意したのち海の中に姿を隠していました。そして、そのまま海の宮殿を訪れていたのです。
コトシロヌシは、海の宮殿で、海の神であるオオワタツミに会っていました。
オオワタツミはコトシロヌシを歓迎していました。
「コトシロヌシ殿!!さぁ飲んで食べてください」
コトシロヌシは上機嫌で答えました。
「ありがとうございます。オオワタツミ殿」
二人は意気投合し、宴会は大いに盛り上がりました。
宴もたけなわの頃、コトシロヌシは言いました。
「オオワタツミ殿、この度、中つ国の統治はオオクニヌシ様からアマテラスの孫ニニギ様に譲られることになりました」
オオワタツミは答えました。
「おお、そうでしたか。太陽の御子に中つ国が譲られたのですね」
コトシロヌシは続けました。
「そこでお願いがあります。ニニギ様の治める新しい中つ国に、海の幸の豊かな恵みを届けて欲しいのです」
オオワタツミは大きくうなずきました。
「もちろんです、コトシロヌシ殿。
それを伝えるために遠路はるばるお越しくださったのですか。大したお方だ!!
ささ、飲んで飲んで」
その後も宴会は盛大に続きました。
やがて宴会を終えたコトシロヌシは中つ国へ戻ることにしました。
コトシロヌシが戻ったのは、現在の三宅島でした。そこで三島明神となったコトシロヌシは、その後、三嶋大社にお祭され私達に海の恵みを運んでくれているのです。
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