~これまでのお話~
高天原のアマテラスは、美しく発展した中つ国の統治を息子に任せたいと考えました。そこで中つ国の王・オオクニヌシの元に繰り返し使者を送りましたが、なかなかうまくいきません。そこで次の使者として武神タケミカヅチが選ばれました。タケミカヅチは凄みを効かせオオクニヌシに国譲りを迫りましたが、オオクニヌシはアマテラスの使者である証拠を示して欲しいと答えました。そこでタケミカヅチは高天原に戻り、アマテラスに正使であることを示す手紙を書いてほしいと頼みました。アマテラスは手紙を書きながら昔のことを懐かしく思い出していました。
スサノオが高天原を奪いに来たと勘違いしたアマテラスは、完全武装をしスサノオを待ち受けました。
スサノオは
「黄泉の国に向かう前に挨拶にきたんだ」
と伝えますが、アマテラスは武装を解きません。
そこでスサノオは、お互いに『誓約(うけい)』をし身の潔白を証明しようと提案しました。
『誓約』とは「予め決めた通りの結果がでるかどうか神に託す」やり方です。
簡単に言うと、じゃんけんみたいなものです。
そしてお互いが「神産み」をおこない、身の潔白を証明することにしました。
まずアマテラスがスサノオの剣を受け取り、清めた後にバリバリと噛み砕き、プーと息を吐き出しました。
↑宗像三女神の誕生
すると美しい3柱の女神が誕生しました。
次にスサノオがアマテラスの髪飾りの勾玉を受け取り、清めた後にバリバリと噛み砕き、プーと息を吐き出しました。
↑オシホミミ、アメノホヒ誕生(他の3柱は省略・・・)
すると立派な5柱の男神が誕生しました。
お互い「神産み」をおこないましたが、事前に「勝ちのルール」を決めていなかったため、どちらが勝ったか明確ではありませんでした。ルールを決めずにじゃんけんをしたようなものです。。。
そこでアマテラスは、
「5柱の男神は私の勾玉から生まれたので私の子。3柱の女神はあなたの剣から生まれたのであなたの子です」
と言いました。
5柱の男神の中にはアマテラスが中つ国の統治を任せようとしているアメノオシホミミやオオクニヌシの元に使者として送られたアメノホヒもいました。
↑スサノオの息から生まれたけどアマテラスの息子
それを聞いたスサノオは
「オレの心が清らかだから美しくか弱い女神が生まれたんだ。だからオレの勝ちだ―っ!!わーい!!」
と勝手な解釈をし大喜びしました。
スサノオは喜びすぎてハメを外し、大暴れをしてしまい高天原で大事件を犯してしまいます。
事件の後、アマテラスはショックを受け引きこもりました。
↑日本初の引きこもり
その後、高天原を追放されたスサノオは出雲に降り立ち、ヤマタノオロチを倒し中つ国のスーパーヒーローになりました。
↑お酒を飲み気持ち良く眠るオロチさん
スサノオは、ヤマタノオロチ退治で得た『草薙の剣(くさなぎのけん)』を姉アマテラスに献上し、過去の過ちを深く詫びました。
アマテラスは立派に成長したスサノオの姿を見て、大変喜びました。
中つ国の基礎を築いたスサノオは多くの子供を残しますが、表舞台からは身を引き根の国に引っ越します。そしてスサノオから6代後の子孫が現在の中つ国の王オオクニヌシです。
↑オロチから救ったクシナダヒメと結婚。子宝に恵まれる。
アマテラスは懐かしい思い出に耽りながら、オオクニヌシへの手紙を書き終えました。
よう