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オオクニヌシ、臆せず語る

~これまでのお話~ 

 

高天原のアマテラスは、美しく発展した中つ国の統治を息子に任せたいと考えました。そこで中つ国の王・オオクニヌシの元に繰り返し使者を送りましたが、なかなかうまくいきません。そこで次の使者として武神タケミカヅチが選ばれました。タケミカヅチは天翔ける神アメノトリフネと共に中つ国の出雲へ降臨し、オオクニヌシに国譲りを迫りました。

 

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凄みを効かせ国譲りを迫ってくるタケミカヅチに、オオクニヌシは一瞬たじろぎました。

 

しかし、オオクニヌシも中つ国の王です。

 

腹を据えたオオクニヌシは堂々と言いました。

 

「いかにも私がこの国の王オオクニヌシである。

 この中つ国(なかつくに:地上世界)の基礎を築いたのは、私の先祖スサノオ様である。スサノオ様は私の義父であり、アマテラス様の弟にあたる。

 私は私利私欲のためにこの国を豊かにしたのではない。スサノオ様の意思を継ぎ懸命に働いてきたつもりだ。

 そのスサノオ様の姉君であるアマテラス様のご進言を無下にするつもりなど毛頭ない。

 しかし、タケミカヅチ殿。果たしてあなたは本当にアマテラス様のご使者なのだろうか?

 あなたの正体がわからぬまま交渉のテーブルに着くのではスサノオ様に申し訳が立たぬ。

 まずはあなたがアマテラス様の使者である証拠を示してもらいたい」

 

オオクニヌシは闘気をみなぎらせるタケミカヅチの気を逸らせるように語りかけました。

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