道後にて③
~これまでのお話~
オオクニヌシとスクナヒコナは兄弟となり、国造りをスタートしました。全国に農業や土木、医学などをどんどん広めていきました。そんなある日、道後で温泉を掘っていた際、スクナヒコナは岩の下敷きになり死んでしまいました。オオクニヌシは深く哀しみましたが、温泉を待ちわびている人々のため一心不乱に働きついに道後温泉が完成しました。
温泉が完成すると、すぐにオオクニヌシは大切に保管していたスクナヒコナの遺体のもとへ向かいました。
そして、スクナヒコナの遺体を大切に手のひらにのせ、温泉のある場所へ戻りました。
スクナヒコナの両足をにぎり、頭からザブンとお湯につけると・・・
スクナヒコナの顔色はみるみると良くなり、なんとピチピチと元気よく動き出しました。
そして、握りしめていたオオクニヌシの手から勢いよく飛び出ると、
「うおおおおおお~っ!!」
と力強く雄たけびをあげました。
雄たけびが終わると、
「少しばかり寝た」
と何事もなかったかのようにつぶやきました。
息を吹きかえしたスクナヒコナの姿を見て、オオクニヌシは大喜びしました。
「スクナヒコナ、また一緒に国造りの旅を続けよう!!」
「ああ、オオクニヌシ。がんばろうぜ!!」
こうして二人の絆は一段と深まったのでした。
よう