女神の恋愛術
~これまでのお話~
中つ国(なかつくに:地上世界)で八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)との戦いを制したオオナムヂはオオクニヌシと改名し国造りをスタートしました。モテモテのオオクニヌシは、領土を広げるたびにその土地の美しい女神と婚姻関係を結び、子供を授かりました。ある時、越の国(現在の北陸地方)に美しい女神がいると聞き、わざわざ出向きましたが扉は固く閉ざされていました。そこで女神に聞こえるようラブソングを歌いました。
屋敷の中にいた沼河比売(ヌナカワヒメ)は外から聞こえてくる美しい歌声に気づきました。どうやら出雲からはるばるやってきた麗しい男神が愛の歌を歌っているようです。
ヌナカワヒメは扉を開けずにお返しの歌を詠みました。
八千矛の神(ヤチホコノカミ:オオクニヌシのこと)よ♪
私はか弱い草のような女性なんです♪
あまり強引なお誘いはご遠慮ください♪
いずれはあなたの鳥になるでしょうから♪
天高く飛ぶ鳥たちよ♪
この想い伝えてね♪
つづけて、2つ目の歌を詠みました。
山に日が沈むと♪
やがて漆黒の夜がやってきます♪
するとあなた様は♪
朝日のような笑顔でやってきて♪
私の色白の腕や♪
柔らかい雪のような胸を♪
やさしく触れたり撫でたりすることでしょう♪
そして私の腕を枕にして♪
ゆっくりゆっくりとお休みになるでしょう♪
ですから今はまだ焦らないでください♪
八千矛の神よ♪
どうかわかってください♪
古事記の世界では、
【出会い➡一目ぼれ➡両想い➡結婚】
というフローが一瞬でおこなわれることが多いのですが、ヌナカワヒメはしっかりとお返しの歌を歌い間を取りました。少しだけガードの高さを見せています。
今まであまたの女神たちを一瞬にして虜にしてきたモテモテのオオクニヌシ。門前払いを食らうことでますますヌナカワヒメに恋の炎を燃やすのでした。
(女性は参考になるかもしれませんね(;´・ω・))
一日目は顔を見せなかったヌナカワヒメですが、二日目にオオクニヌシが訪れた際には屋敷の中に招き入れました。
そして二人は結ばれたのでした。チャンチャン♪
よう