~これまでのお話~
八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)に命を狙われたオオナムヂは、中つ国(なかつくに:地上世界)を離れ、スサノオを頼り根の国へ身を隠しました。スサノオの度重なる試練を乗り越えたオオナムヂは、スサノオの娘・スセリビメを正妻に迎え、また根の国の宝を携え、意気揚々と中つ国に戻ってきたのでした。
長く暗い洞窟を抜け、ついに中つ国に辿り着いたオオナムヂとスセリビメ。オオナムヂは、まずオオヤビコを探し出しました。オオヤビコは、オオナムヂが根の国に逃れる際に手助けしてくれた木の神です。
オオナムヂはオオヤビコへの恩義を忘れていませんでした。だから何よりも先にオオヤビコに会いに行ったのです。
「オオナムヂ様!!お久しぶりです。こうして再会できるとは・・・とても嬉しいです。」
オオヤビコはオオナムヂとの再会を喜びましたが、すぐに真剣な顔つきになりました。
「しかし、オオナムヂ様。あなたが戻って来たことを八十神達が知ったら・・・八十神は執拗にあなたの命を狙うでしょう。」
オオナムヂは、凛々しい顔つきで言いました。
「オオヤビコ、心配してくれてありがとう。だが、私はこの中つ国を素晴らしい国にするために帰ってきたのだ。もう逃げも隠れもしないぞ。争いは嫌いだが、兄達とは正々堂々と戦うことにしよう。」
「オ、オオナムヂ様・・・」
オオヤビコはオオナムヂの言葉と決意に心を打たれました。オオナムヂのためなら命を捧げても良い、と思いまいた。
さぁ、オオナムヂと八十神の戦いが始まります。
よう