古事記スクール

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子ネズミ、矢をかじる

~これまでのお話~

八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)に命を狙われたオオナムヂは、根の国に逃れました。根の国でスセリビメと結婚しましたが、スセリビメの父・スサノオから試練を与え続けられます。 スサオノは、鳴鏑の矢(なりかぶらのや)を草原に放ち、それをオオナムヂに取りに行かせ火を点けました。オオナムヂは絶体絶命のピンチをネズミに救われました。オオナムヂが死んでしまったと思ったスセリビメは葬儀の準備を進めました。

 

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スセリビメが哀しみに暮れオオナムヂの葬儀の準備を進めているころ・・・

 

オオナムヂは、ネズミの導きにより地面の中の穴に逃れ、炎が収まるのを待っていました。

 

すっかり炎が収まると、穴の外に出ました。

 

「すごい炎だったな。すっかり焼け野原じゃないか。」

 

スサノオの放った炎は全てを焼き尽くしていました。

 

「鳴鏑の矢(なりかぶらのや)を探さねばならないが、この様子では矢も燃えてしまっただろうな・・・」

 

奇跡的に命は助かったものの、このまま帰ってもスサノオはオオナムヂを認めてくれないでしょう。

 

「さて、どうしたものか・・・」

 

その時、足元にネズミがやってきました。

 

「チュウチュウチュウ」

 

オオナムヂがネズミに目を向けると、なんと鳴鏑の矢をくわえていました。そして、矢の羽の部分を子ネズミたちがカリカリカリとカジっていました。

 

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羽の部分がカジられた鳴鏑の矢は、スサノオのモノか、誰のモノなのかわからない状態になっていました。

 

「フフフ、ネズミ君。賢いね。これでスサノオ様のところに戻ることが出来るよ。ありがとう。」

 

オオナムヂは、羽をカジられた矢を受け取ると、ネズミに別れを告げました。

 

 

 

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