スセリビメの哀しみ
~これまでのお話~
八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)に命を狙われたオオナムヂは、根の国に逃れました。根の国でスセリビメと結婚しましたが、スセリビメの父・スサノオから試練を与え続けられます。 スサオノは、鳴鏑の矢(なりかぶらのや)を草原に放ち、それをオオナムヂに取りに行かせ火を点けました。オオナムヂは豪火に囲まれ絶体絶命のピンチを迎えましたが、ネズミに助けられ難を逃れました。
スサノオは草原に放たれた炎を眺めていました。
どのくらい時間が経ったでしょう。炎は草原を焼き尽くし、辺りは焼け野原になりました。
スサノオはしばらく待ちましたが、オオナムヂの姿は見えません。
「シコオ(イケてるヤツという意。オオナムヂのこと)め、さすがに今回はダメだったか・・・」
スサノオは少し残念そうな表情でそう言いました。
スサノオの隣でオオナムヂの無事を祈っていたスセリビメ焼け野原に出ていき、オオナムヂの姿を探しました。
「オオナムヂさまぁ~~~っ!!」
スセリビメの声が焼け野原に虚しく響きます。
どれだけ探してもオオナムヂの姿は見えません。哀しみにくれるスセリビメでしたが、いつまでも悲しんでいるわけにはいきません。スセリビメは、オオナムヂの葬儀の準備をすすめることにしました。
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