~これまでのお話~
八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)に命を狙われたオオナムヂは、根の国に逃れました。根の国でスセリビメと結婚しましたが、スセリビメの父・スサノオから試練を与え続けられます。 スサオノは、鳴鏑の矢(なりかぶらのや)を草原に放つと、それを取ってくるようオオナムヂに命じました。そしてオオナムヂの姿が見えなくなると草原に火を放ちました。
スサノオの放った鳴鏑の矢を追いかけ草原に駆け込んだオオナムヂ。草野根をかき分け、矢を必死に探していました。
すると・・・
「ん?なんだか暑いな・・・」
ゴォ~
ゴォ~
ゴォ~
「ん?なんだ?この音は???」
いったん手を止め、顔を上げてあたりを見回すと…
炎が草原を焼き、すさまじい勢いでオオナムヂに迫ってきます。
「ひ、ひ、ひぃ~っ」
驚いたオオナムヂですが、あっという間に炎に囲まれました。
「くっ!!これまでか・・・」
その時、オオナムヂの足元に一匹のネズミが現れました。
「チュウチュウ」
ネズミはオオナムヂの方を見たかと思うと、まるでオオナムヂを誘うようにチョロチョロと走り出しました。そして少し動いたところでピタッと止まりました。
ネズミを追いかけたオオナムヂはネズミに身をかぶせ、小さな命を炎から守ろうとしました。
よう