か、か、火事よ~ッ!!
~これまでのお話~
八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)に命を狙われたオオナムヂは、根の国に逃れました。根の国でスセリビメと結婚しましたが、スセリビメの父・スサノオから試練を与え続けられます。
スサノオは、鳴鏑の矢(なりかぶらのや)を草原に放つと、オオナムヂに矢を取ってくるよう命じました。素直に駆け出すオオナムヂ。オオナムヂの姿が見えなくなると、スサノオは草原に火を放ちました。
その頃、屋敷にいたスセリビメはふと外に目を移しました。その時、目に映ったのは草原をゴウゴウと燃やす物凄い炎でした。
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「か、か、火事よ~ッ!!」
慌てて屋敷を飛び出すスセリビメ。急いで火事の現場に向かいました。
そこには炎を見つめる父・スサノオの姿がありました。火事だというのに落ち着いたものです。
娘「お父さん!!いったいこの炎はなんなの???」
父「ああ、オレが火を放ったのだ。安心しろ。」
娘「いったい何のため・・・????」
そこまで言いかけ、スセリビメは嫌な予感がしました。今日はまだオオナムヂの姿を見ていません。
娘「お父さん!!オオナムヂ様は????」
父「フフフ・・・」
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父「この炎の中だっ!!」
ガガガガーン!
娘「なな、なんてことをするのよ!!この人殺しっ!!!」
スセリビメはオオナムヂを一人にしてしまったことを激しく後悔していました。しかし、この炎では近づくことも出来ません。スセリビメは、ただただオオナムヂの無事を祈りました。
よう