~これまでのお話~
八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)に命を狙われたオオナムヂは、スサノオに助けを求め根の国(ねのくに:死の世界のような国)に逃れました。そこで出会った須勢理比売(スセリビメ)と結婚したところ、なんとその父親がスサノオでした。スサノオはオオナムヂのことを快く思っていないようでしたが、オオナムヂを屋敷に招き、部屋に案内しました。
「着いたぞ。今夜はここで休め。じゃあなっ!!」
スサノオはオオナムヂをある部屋の前に案内すると、さっさと行ってしまいました。
部屋の入り口には『蛇の間』と書かれていました。
「ずいぶんとおかしな名前の部屋だなぁ・・・」
と思って扉を開けるオオナムヂ。部屋の中は・・・
蛇だらけでした・・・
(そのまんまですね)
「ぎょぎょ、ぎょえ~っ!!」
蛇は床を埋め尽くし、壁をクライムし、天井にぶら下がっています。
「無理無理無理無理無理無理無理・・・ここでは眠れません。」
オオナムヂが部屋に入るのを躊躇していると、そこへ新妻のスセリビメがやってきました。
「もうお義父さんったら!!意地が悪いんだからっ!!」
そういうと、首にかけていた比礼(ひれ:スカーフのような布)を外し、オオナムヂに渡しました。
「この比礼には呪力があります。蛇に向かって3回振れば、たちまちおとなしくなるでしょう。」
オオナムヂは比礼を受け取ると、蛇に向かって振りました。
スワ~
サワ~
フワ~
すると不思議なことに、蛇は部屋の隅にかたまり、おとなしくなってしまいました。
オ「おお!!ありがとうスセリビメ。これでゆっくり休めるよ。」
ス「ウフフ。お力になれてうれしいですわ♪」
オオナムヂは部屋に入ると、ゴロリと横になりました。
(それにしても、いったい何のためにお義父さんはこんな部屋を作ったんだろう・・・)
そんなことを考えているうちに、オオナムヂは眠りに落ちました。
よう