木の神・オオヤビコ
~これまでのお話~
恋に破れた八十神(ヤソガミ:オオナムヂの兄達)は、その嫉妬心からオオナムヂの命を狙います。兄達の罠にはまり、一度ならず二度までも命を失ったオオナムヂでしたが、母の愛により復活を果たしました。
再び生き返ったオオナムヂに、母・サシクニワカヒメは言いました。
「このままではあなたは一生、兄達から命を狙われ続けます。この地から逃れ、身を隠しなさい。」
そして、紀の国(今の和歌山県・三重県南部)に住む、木の神・大家彦毘古(オオヤビコノカミ)の元を尋ね、オオナムヂを匿ってもらうようお願いしました。オオヤビコはこれを快諾します。こうして、オオナムヂは兄達から逃れ、平穏な日々を送ることに・・・
なりませんでした!!
ある日のこと・・・
ビュ~ンッ!!ザクッ!!
オオナムヂの足元に矢が刺さりました。
「いたぞ!!」
「あそこだ!!」
矢をつがえてきたのは、八十神(やそがみ:オオナムヂに嫉妬する兄達)でした。執念深い兄達は、ついにオオナムヂの居場所を突き止め追いかけてきたのでした。
「オオナムヂ様、こちらへ!!」
オオナムヂは、オオヤビコの後を必死についていきます。
「逃げたぞ!!」
「追いかけろっ!!」
ヤソガミはオオナムヂの後を追いました。
よう