~これまでのお話~
80人兄弟の八十神(ヤソガミ)は、美人で評判の良い八神比売(ヤガミヒメ)にプロポーズするため全員で旅に出ました。末っ子のオオナムヂは、荷物持ちとして兄達に同行しましたが、兄達から大きく遅れていました。
ザワザワザワザワ
ザワザワザワザワ
ザワザワザワザワ
八神比売(ヤガミヒメ)は屋敷の外の騒々しさに気づき、侍女に何事かと尋ねました。侍女は答えます。
侍女「ヤガミヒメ様、お屋敷の外には80人の男神達が集まっています。どうやら、ヤガミヒメ様にプロポーズに来たようです。」
ヤ「え?80人も???いったい何者なのでしょう???」
侍女「どうやらスサノオ様のご子孫のようです。」
ヤ「あら、スサノオ様の。ではきっと素敵な方たちなのでしょうね。」
屋敷の外ではヤソガミ達がザワついていました。
「はるばる君に会いに来たよ~」
「オレが1番のりだぜ~」
「俺と結婚してくれ~」
「いやいや、オレが良いよ~」
ヤっちゃん!!
ヤっちゃん!!!
ヤっちゃん!!!!
屋敷の外は大騒ぎでした。
互いをけなしあう者もおり、小競り合いが起きていました。
ヤガミヒメは扉を開け、ヤソガミの前に姿を現しました。
お~!!!
美しいヤガミヒメの姿に感嘆の声が上がりました。そして、大合唱が始まりました。
マッぶいっ!!
マッぶいっ!!
マッぶいっ!!
マッぶいっ!!
ヤガミヒメは異様な盛り上がりに一瞬怯みましたが、深く深呼吸をし、大騒ぎをするヤソガミ達をキッと睨みました。
よう